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松下響の天輪返し

TS/TSFレビュー : Yin-Yang! X Change Alternative

おはようございます、松下です。
前回に引き続いてCROWD制作のTSF恋愛アドベンチャーゲームで、今回はYin-Yang! X Change Alternative(イン-ヤン!エックスチェンジ・オルタナティヴ)についてのレビューを敢行いたします。まあ何と言いますからんま1/2~Xchangeの系統は一通り先にやっておかないと他のを語るのに不便するというところがありまして、優先してやっております。
などと言いながら単に好きだからというのは、認めるのにやぶさかではありません。

では早速行ってみましょうか。

18歳未満の閲覧に適さない記事のため、以下の内容を非表示にしています。18歳以上で閲覧をご希望の方は、お手数ですが下の「内容を表示」ボタンをクリックしてご覧ください。

シリーズ最新作が発表されましたので、応援バナーを貼っておきます。
原画担当はTSF愛好家の野城まさるさんです。期待大。

「Yin-Yang! X ChangeEX 僕の先生がこんなに女なわけがない」を応援中!

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TS/TSFレビュー : 無印Xchange三部作

おはようございます、人並みにエロゲも嗜んでおります松下です。

というわけで、今回レビュー致しますのはCROWDのTSF18禁恋愛アドベンチャーゲーム、無印「Xchange(エックスチェンジ)」三部作です。いわゆるTSFエロゲというやつですね。一般の方には馴染みが薄いかもしれませんが、CROWDはTSFのエロゲをシリーズ化して販売実績を積み立ててきた希有でありがたいメーカー/ブランドです。個人的には、この会社が無くなったらセガが無くなるのと同じくらい困るという、必要不可欠な存在です。

それでは当ブログ初の18禁レビュー、行ってみましょうか。

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  1. 痴漢したい人とされたい人が合意の上で乗り合わせるバス…らしい []
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TS/TSFレビュー : らんま1/2

おはようございます、松下です。
今回はTSFレビューをやるには避けて通れないTSFの最大手、表の立て看板とも言うべき「らんま1/2」についてレビューをしたいと思います。
とはいえ、最大手と言われるだけあってメディア進出の幅が広く、原作漫画から始まってTVアニメシリーズ、劇場版、OVA、ゲームまであります。流石に全部網羅出来てはおりませんが、真っ先にはまったTVシリーズを中心としてあれこれ触れたいと思います。

基本情報

  • らんま1/2
作品概要
作品名らんま1/2
著作高橋留美子
販売元小学館ポニーキャニオン
レーベル少年サンデーコミックス
作品形式ゲーム、映像、漫画、アニメーション、TVシリーズ、映画、OVA
流通形態商業放送現物販売
放送局フジテレビ系列
原作高橋留美子
製作多賀英典、伊地智啓
制作フジテレビキティ・フィルム
動画制作スタジオディーン
企画落合茂一
プロデューサー中尾嘉伸、松下洋子、久保真、石原隆・金田耕司、 中川順平、長谷川洋
監督芝山努、澤井幸次、西村純二
人物デザイン中嶋敦子
作画監督中嶋敦子、後藤真砂子、遠藤麻未、工藤柾輝、数井浩子、杉山東夜美、井上容子、響良い子、磯野智、白鳥あずさ、はしもとかつみ、工藤裕加、鰻原妙一郎、斉藤哲人、山根理宏
シリーズD望月智充
シリーズ構成浦沢義雄、井上敏樹、戸田博史、井上敏樹、柳川茂
音楽森英治、川井憲次、松浦晃久
撮影監督吉田光伸
録音監督斯波重治
美術監督三浦智
美術設定佐藤正浩
色彩設定田高浩一
編集坂本雅紀、片山理恵、森田清次
出演
早乙女乱馬 :山口勝平
早乙女らんま :林原めぐみ
天道あかね :日高のり子
天道なびき :高山みなみ
天道かすみ :井上喜久子
天道早雲 :大林隆介
早乙女玄馬 :緒方賢一
九能帯刀 :鈴置洋孝
響良牙 :山寺宏一
久遠寺右京 :鶴ひろみ
シャンプー :佐久間レイ
ムース :関俊彦
九能小太刀 :島津冴子
八宝斎 :永井一郎
コロン :小林優子
刊行数原作漫画38巻、TV第1期18話、TV第2期143話、OVA21話、劇場版3編、ゲーム14本
初出1987年
対象年齢全年齢対象
TSF要素概要
TSキャラの役主人公
変化の方向女性化
変化の方法単体変化
変化の持続性突発可逆
変化後の人格元のまま
視点同一型対面型
組み合わせ身体的異性精神的異性
復元願望必然
性的要素概要
状況窃盗盗撮撮影セクハラ痴漢入浴露出
行為抱きつき接吻乳揉みぱふぱふ尻撫で
器具触手
衣装全裸半裸下着水着ワンピース水着バニースーツ学生服
性対象概要
種別人間
性別TS
容姿年齢若い
背丈低身長
体型標準
美乳巨乳
美尻
人格ノーマルナルシスト男前反抗的熱血負けず嫌い高飛車外道
経験処女

物語概要

無差別格闘早乙女流の二代目、早乙女 乱馬(さおとめ らんま)は、武者修行で父とともに中国呪泉郷(チョウチュアンシアン)に寄った際、娘溺泉(ニャンニーチュアン)に転落してしまい、それ以来、水をかぶると女になり、お湯をかぶると元に戻るという変身体質になってしまった。一方父の早乙女 玄馬(さおとめ げんま)熊猫溺泉(シュンマオニーチュアン)に転落したことでパンダに変身するようになってしまった。
その後、中国での修業を終えた二人は日本に帰ったが、玄馬は乱馬をその許嫁である天道家の娘に会わせるため強引に天道道場へと連れていく。生憎天候が雨だったため二人はパンダと女の子という姿で天道道場を訪れるはめになり、色々と誤解を生じたものの、結局許嫁の件は年齢が同じという安易な理由で当人同士が納得しないまま三女の天道あかねに決まってしまい、乱馬はあかねと同じ学校に通うことになったのだった。

…ていうか、これめちゃめちゃ有名なんで、あらすじ要りませんよね。

その偉大な実績

原作漫画は週刊少年サンデーに長期連載して全38巻を刊行、更にTVアニメとして第1期18話、第2期(熱闘編)143話という長期にわたって放映された人気作品で、OVA版や劇場版も制作され、ゲーム化本数は貫禄の14本、近頃はパチンコにさえなっています。TSF作品としてそのメディア露出は他に並ぶものが無く、ゆえに最大手、立て看板として万人に知られています。TSFという言葉を知らない人でもらんま1/2は知っていることが多いはず。
そしてこの作品が多くの人の目に触れたことで、多数の潜在的TSF好きの起動スイッチを押してしまったことは疑う余地が無いでしょう。

画期的変身システム

この作品の肝となるのは、呪泉郷の存在。つまりは「水をかぶると変身し、お湯をかぶると元に戻る」という誰にでもわかりやすい変身システムでしょう。しかも変身の要因が外部トリガーなので、水やお湯さえあれば本人の意志で変身できる一方、水は何処にでもあるので、突発的な変身事故がいくらでも起こり得ます。変身コメディの要素としては一つの発明とも言っていいレベルの、画期的発想だと思います。

ただ、私のように早乙女らんま(女)に極端に肩入れしている真性のTSF嗜好の人間からしますと、本人の意向も含めて簡単に元に戻ってしまうということはらんま君の出番が減るというデメリットになるわけで、らんま君の出番が短い、或いは全くない話は何とも言えない肩透かし感を感じたものでした。
逆に総身猫舌(そうしんマンツオ)のツボや止水桶(チースイトン)で男に戻れなくなってしまうとらんま君の男女比率が強制的に女100%になりますので、そんな展開では瞬きも忘れて見入っていたものです。
ちなみにこれは本編を見る前に見分ける方法があって、最初にエンディングから見てエンディングクレジットに林原めぐみさんの名前が無かったらアウト、山口勝平さんの名前が無かったら当たり…かもしれません。いやらんま君がずっと女でも話自体が面白いかどうかは分かりませんし、男女両形態出てて面白い話ももちろんあるわけで。

魅力的なキャラクターと大衆向けの限界

今更宣言するまでも無いですが、私がこの作品で一番好きなキャラは早乙女らんま(女)です。この作品でどころか、他の作品を合わせて考えてもトップクラスに好きなキャラです。元が男だというのに、特にアニメ版の絵柄では、あの愛くるしさと言ったらたまらんものがあります。ギャップ萌えという言葉は比較的最近出来たような気がしますが、一種のそれかもしれません。

他に私が好きなキャラを挙げますと、九能帯刀、三千院帝、早乙女乱馬(男)、響良牙、早乙女玄馬、天道早雲あたりになります。ええ、男ばっかりですね。しかしそうなるのも半ば必然で、九能先輩はキャラそのものも好きですが、三千院帝と併せて、「らんま君に言い寄る男」という意味でも非常に重要です。何故なら私はTS娘のモテ描写が大好きだから。そういう意味では格闘茶道の千太郎君は街で出会ったらんま君を花嫁にしようとさらったところまでは極めて高評価だったのですが、体質を知った途端に手のひら返して邪険にし始めたのが心底ガッカリでした。

一事が万事そんな見方をしておりましたので、らんま君以外の女性キャラには残念ながら毛ほども興味がありません。むしろ女性陣が存在するとらんま君を男に戻そうとする方向に話が行ってしまうので、場合によっては邪魔でさえあります。
というか乱馬君、男の状態で約束した女の許嫁があんなに沢山いるなら、女の状態で約束した男の許嫁が一人くらいいてもいいんじゃないかと思ってしまうわけです。
しかし公式では主人公が早乙女乱馬でヒロインは天道あかねとその他許嫁の方々という、人数的にはおかしいのに性別だけはノーマル死守という状態になっており、概ねそのような方向で話が進みます。格闘能力も全般的に男の状態の方が優れていることになっているので、強敵に打ち勝つにはまず男に戻ることが第一条件とされ、騙し打ちなどを除き女の状態で活躍することはありません。更にラブコメ要素も九能先輩などごく一部の例外を除き殆ど女性陣との絡みになり、相手の女キャラも乱馬君が男であることを望んでいるので、折角魅力的ならんま君がすっかりデメリット、厄介者扱いです。これが肩透かし進行やらんま君出番なしの原因の一端にもなっている気がします。
ただ、元々ニッチな市場のTSF嗜好者向けではなくてもっと広い間口で大衆向けに作られた作品ですので、ある程度ノーマルな要素を残すのも仕方なかったのかもしれません。TSF的満足度というフィルターを外せばかなりレベルの高いコメディ作品であり、商業的にはむしろこの方向で正解であったと言ってもよいでしょう。

そんな中で、らんま君のファーストキスを奪って泣かせた三千院帝は殊勲賞ものの大活躍だと思います。よく頑張った、感動した。
ところで三千院帝は根っからの馬鹿の九能先輩と違って基本的に気障でいけすかない奴ですが、上記の大活躍に加え、「僕の頭の中はそういうことで一杯だ!」発言のお陰で、私の評価はすこぶる高いです。そこまでいけばむしろかっこいいよ三千院さん。

怪しげな格闘技の数々

乱馬君の流派は無差別格闘早乙女流、つまりどんな流派の勝負も受けるという立場であり、それゆえに様々な流派の相手と勝負をします。
しかしその相手は格闘新体操に始まり、格闘スケート、格闘茶道、格闘ディナー、格闘チアリーディング、格闘出前など、現実に存在しないキワモノがぞろぞろと登場します。また、一見まともそうな流派や技が相手の場合も、実は土木掘削用の技だったり、コソ泥と強盗を発想の原点にした拳法だったりと、大半がまともではありません。そういった奇想天外な相手とルールをどう攻略していくか、というのも本作品の醍醐味の一つでしょう。

高橋流言葉遊び

よく「早乙女らんまが身籠って男に戻るとどうなるのか」、などという命題を目にしますが、これを議論するのに生物学的な見地から見るのはナンセンスと言えるでしょう。
何しろ人間が子豚になって少女の手のひらにちょこんと乗る世界ですから、質量保存の法則もあったもんじゃありません。科学や医学のほとんどは無意味です。

同様に拳法や奥義の勝負もフィジカルや技能がどうとかという問題ではなく、概念的に相性で上回ってしまえば勝ち、という頓知(とんち)バトル的な要素が多く見られます。分かりやすい例としては、心情的な「寒気」や「冷静さ」を物理的「冷気」と置き換えている飛竜昇天破、「気分が重い」から「気の重量」で相手を押しつぶす獅子咆哮弾、「強気」でさえいれば「強力な気弾」を放てる猛虎高飛車などがあります。あくまで概念の勝負ですので、これを物理的にどうだとか言うのも野暮なものでしょう。

そんなわけで冒頭の命題に対する回答は、どう変化するかを回避して「そんな事態になれば泉の呪いの力で男に戻れなくなる」に一票を投じたいと思います。

豪華声優陣

アニメ版の話ですが、声優陣には今の基準で見ると有り得ないくらいのオールスターがずらりと並んでいます。しかし当時から全員既に大御所だったわけではなく、有望な新人や人気上昇中の人が集められてこの作品が出来た結果、その後名だたる面々になったというお話ですね。
演技のレベルの高さは今見ても大満足です。
ただその、私が大好きな九能先輩の声はもう新録できないという現実がですね。ああ鈴置さん…本当にお疲れ様でした。

原作との絵柄の違い

私はTVシリーズ第1話からはまった口ですので、ある程度そのせいもありますが、アニメ版の絵柄は原作漫画版より二次元的デフォルメが強く、そういう意味ではメリハリが効いているので、絵柄だけ見ると断然アニメ版の方が好みです。
そんなわけで、ここではほぼアニメ版の方の印象で語っております。
ただ原作なくしてアニメ版は存在しえないので勿論嫌いなわけがなく、原作についてはむしろ好き嫌いというより感謝の気持ちで見ていると言った方が近いかもしれません。

伝説の劇場版「決戦桃幻郷! 花嫁を奪りもどせ!!」

あまり世間に知られていないような気がするのですが、らんま1/2には劇場版が3つも存在します。そのうち最後の「伝説の鳳凰」は原作漫画を元にした短めの内容ですが、第1作「中国寝崑崙大決戦! 掟やぶりの激闘篇!!」と第2作「決戦桃幻郷! 花嫁を奪りもどせ!!」は劇場版オリジナルの内容で、らんま1/2のアニメ版ファンに特にお勧めなのが劇場版第2作「決戦桃幻郷! 花嫁を奪りもどせ!!」です。
と言いますのもこの作品、当初のシチュエーションとその後の作戦行動のためらんま君が女でいる時間がかなり長く、しかも微妙に胸が増量しているのか、薄着でめっちゃ揺れます。まあ終盤はやっぱり男に戻って戦うんですが、そこは仕方ないとして、前半~中盤は映像レベルの高さも相まって「らんま君及びその他女性陣プロモーション映像集」と言っても差し支えない出来です。ちょっと今DVDなどが手に入りづらいのが難点ですが、機会があれば是非一度ご覧あれ。

総評

総じて、TSキャラであるらんま君の魅力レベルが強烈に高く、作品自体の質も高いものの、性倒錯よりコメディ要素やノーマルなラブコメ要素などを優先して大衆向け作品として仕上げられた結果、そのらんま君の出番が減ったり男との絡みが殆ど無かったりするので、重篤なTSF嗜好者にはやや食い足りないものになってしまっていると言わざるを得ません。
などと色々ないものねだりをしましたが、しかしそういった部分は一部の二次創作で補われていたり、或いはその足りない部分をメインに据えた新しいTSF作品が後年続々と作られていたりします。それもこのらんま1/2の商業的成功がなかったら存在していなかった可能性が高く、この作品は今なお非常に重要なポジション、ものさしの基準点にあると言って差し支えないでしょう。
そういった功績や多くの個人的肩透かし話などを差し引きしまして、以下の点数を奉納いたします。

満足度 800/1000

高橋留美子先生の偉大な業績に感謝。

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週刊少年ジャンプ2011年17号 感想 お試し版

おはようございます、こう見えて漫画好きの松下です。
以前から週刊少年ジャンプの感想コラムというのをいっぺんやってみたかったので、試験的かつ突発的にやってみようと思います。
ただ、いきなり始めてもどういった見方をしているのかわからないと思いますので、それぞれのタイトルの感想の前に、「これまでの印象と期待度」を書いておくことにします。

ちなみに最近なんとなく半端で終わって哀しかった漫画は「LIGHT WING」「賢い犬 リリエンタール」「重機人間ユンボル」「武装練金」「惑星をつぐ者」「サイボーグじいちゃんG」…そろそろ最近じゃなくなってきたのでこのあたりで。ユンボルが別の雑誌に移って仕切り直しで始まってくれたのは嬉しかったです。またゲンバー大王の勇姿を拝める日が来るとは。
あ、それと申し訳ないんですが「A・O・N」は逆に打ち切り進行が面白かったです。

当たり前ですがこの記事はネタバレ全開ですので、以降の内容を非表示にしておきます。閲覧をご希望の方は、お手数ですが下の「内容を表示」ボタンをクリックしてご覧ください。

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縦長メニューでも使えるjQuery scroll follow "plus"公開

おはようございます、一応制作が本業の松下です。
今回はまた趣向を変えて、web制作系のお話をしてみたいと思います。
現在このサイトで左のメニューがスクロールに合わせて追従するようになっておりますが、これはフリーで配布されているjQuery scroll followというスクリプトを拝借しまして、それを少々改造したものです。
改造と申しますのも、当サイト、特にこのブログのような長いメニューでこれをそのまま使うには少々不都合がありまして、対処法を検索しても有効な打開策が見当たらなかったので、自分でコードを書き変えて最適化してみたわけです。

それで、折角できましたのでゆるりと配布を開始してみます。元々MITライセンスですので、改変著作物の再配布は自由となっております。
名前は適当に「jQuery scroll follow plus」と付けました。ええ、リブナニッカ+(プラス)みたいに元より強そうでいいかなと。

既存のjQuery scroll followの問題点

オリジナルのスクリプトでは、"relativeTo"というオプションがあり、挙動は以下のようなものです。

  • relativeTo: ‘top’ → フォローボックスの上端をウィンドウの上端もしくは親ボックスの上端に合わせる
  • relativeTo: ‘bottom’ → フォローボックスの下端をウィンドウの下端もしくは親ボックスの下端に合わせる

一見これでよさそうな気もしますが、このブログのようにウィンドウの高さ方向の長さをあっさり超える長いサイドメニューがある場合、top設定だとページの一番下までスクロールしないとメニュー下端が見えない、bottom設定だとページの一番上まで戻らないとメニュー上端が見えない、という意外に致命的な問題が出てきます。これでは帯に短し襷に長し状態で、むしろjQuery scroll followを使用しない場合よりもユーザビリティが低下してしまいます。また、ウィンドウの高さ方向の長さというのは完全にユーザーの使用環境に依存しますので、このような事態は大抵のサイトで起こり得ます。

不都合解消の指針

そんなわけで、条件判定がシンプルすぎるのが問題の根幹だと判明しましたので、h2sでは痒い所に手を届かせるべくrelativeTo: ‘both’という選択肢を作ることにしました。これはどういう動作をするのかと言いますと、

  • フォローボックスの長さが画面高さに収まる場合はフォローボックスの上端をウィンドウの上端もしくは親ボックスの上端に合わせる(relativeTo:’top’の移動処理を行う)
  • フォローボックスの長さが画面高さに収まらない場合は以下の条件判定と動作を行う

    • フォローボックスの下端だけ画面外の場合はフォローボックスの上端をウィンドウの上端もしくは親ボックスの上端に合わせる(relativeTo:’top’の移動処理を行う)
    • フォローボックスの上端だけ画面外の場合はフォローボックスの下端をウィンドウの下端もしくは親ボックスの下端に合わせる(relativeTo:’bottom’の移動処理を行う)
    • フォローボックスの上下が両方とも画面から出ている場合は追随しない

特に上記太文字の部分が重要で、これにより「画面から見切れているメニューを見ようとしてスクロールしてもメニューが勝手についてきて見えない」というイライラ爆発ものの不都合が解消されるわけです。

必要なファイル

jquery.js : jQuery本家サイト トップページ
jQueryの本体ライブラリです。
ページ右の"Download(jQuery)"ボタンからjquery-[version].jsをダウンロードします。ブラウザにより挙動が違いますが、ソースコードが表示されるようならそれをコピーしてテキストファイルに貼り付け、.js拡張子をつけて保存します。
参考までに、このサイトで使用しているのはver.1.5.1です。
jquery.ui.core.js : jQuery uiライブラリ配布ページ
jQueryのuiライブラリです。
適当に"Quick downloads"から一括ダウンロードするか、余計なファイルが要らないという場合はUI Coreの”Core”以外のチェックを全部外してダウンロードします。
どちらにしろ複数ファイル入りのzipをダウンロードすることになりますが、解凍してdevelopment-bundle/ui/の中にあるjquery.ui.core.jsが必要なファイルです。
参考までに、このサイトで使用しているのはver.1.8.11です。
jquery.scrollfollowplus.js : 銑鉄網内dlディレクトリ
今回改造を行ったスクリプトです。改造済みで多分そのまま使えます。
上のリンクから直接ダウンロードできます。文字化けして表示される場合は文字コードをUTF-8にして表示し直してください。また、文字化けしてもしなくても、念のため使用するページと同じ文字コードで保存し直してください。
改変元はjquery.scrollfollow.js ver.0.4.0です。

設置方法

まずページのHTML記述で、jquery.js 、 jquery.ui.core.js 、 jquery.scrollfollowplus.jsの順にheadタグ内で読み込ませます。実際のファイル名はどうつけても構いません。

次に上記のファイルと別に、jquery.scrollfollowを設定・起動する下記のコードを用意します。

//ナビゲーションのスクロール設定
jQuery(function() {
	$('#フォローボックスのID名').scrollFollow({
		topAdjust: 半角数値入力,
		topOverrun: 半角数値入力,
		bottomAdjust: 半角数値入力,
		bottomOverrun: 半角数値入力
	});
});

上記の「フォローボックスのID名」と書いてある部分は、実際のフォローボックスのID名に書き換えてください。このサイトでは"localnavigation"としています。

元のスクリプトではフィット方向はrelativeTo: ‘top’がデフォルトになっていましたが、plusではrelativeTo: ‘both’が新しくデフォルトになっていますので、わざわざplusを使う場合、このオプションの記述は必要ありません。

元のスクリプトはoffsetオプションにより位置調整をしていましたが、これは上端と下端の区別が無く不便だったので、以下の四つに分けて微調整が効くようにしました。

  • topAdjust : 画面上端フィット時にフォローボックスとその中身の可視オブジェクトの間に空いている隙間を何ピクセル詰めるかというオプションです。
  • topOverrun : フォローボックスがその親ボックスの上端より何ピクセルはみ出したところまで移動できるかというオプションです。
  • bottomAdjust : 画面下端フィット時にフォローボックスとその中身の可視オブジェクトの間に空いている隙間を何ピクセル詰めるかというオプションです。
  • bottomOverrun : フォローボックスがその親ボックスの下端より何ピクセルはみ出したところまで移動できるかというオプションです。

具体例として、このページの場合の上記オプションパラメータを図示すると以下のようになります。

このページの場合、上端で#localnavigationとその内部の可視オブジェクトに24pxのpaddingによる隙間があり、つまり"topAdjust: 24"とすると可視オブジェクトがぴったり画面上端にくっつきますが、可視オブジェクト上端の1pxの線が見えない方がよりフィット感が出ますので、この線を画面外に出すために更に1増やして"topAdjust: 25"としています。
#localnavigation上端は親ボックスの#bodyより上にはみ出す必要はありませんので、"topOverrun: 0"となります。
下端では#localnavigationとその内部の可視オブジェクトには全く隙間がありませんが、上端同様に1pxの線を画面外に出すために"bottomAdjust: 1"としています。
#localnavigation下端は親ボックスの#bodyより40px下にはみ出す必要があります(※#bodyの枠の下側は#footerの領域です)ので、"bottomOverrun: 40"となります。

なお、上記調整が不要の場合は、デフォルト値は0になってますので、変数記述を空にしてしまっても大丈夫です。

このコードは外部ファイルにしてもヘッダに直接書いても構いません。ただし、外部ファイルにする場合はスクリプトの文字コードをページと同じにするのを忘れないでください。
どちらにしても、先の3ファイルのあとにこのコードのためのlinkタグやscriptタグを記述します。
参考までに、このサイトではheadタグの最後のotherscripts.jsの中に記述しています。

以上で設置完了です。[ウィンドウの高さ < フォローボックスの高さ < フォローボックスの親ボックスの高さ] の状態で動くかどうか試してみてください。

動作確認とトラブルシューティング

基本的に考えられるのは「動かない」という症状なのですが、果たしてjquery.scrollfollow.jsが動かないのかjquery.scrollfollowplus.jsが動かないのか、という問題があります。実際のところjquery.scrollfollowplus.jsが動かない場合、殆どは元のjquery.scrollfollow.jsも動きませんので、jquery.scrollfollowのトラブルシューティング事例を調べてみてください。

代表的なところでは、まずLightboxなど他にjQueryを使用するスクリプトがある場合、何らかの衝突が発生して動かない場合があります。特にWordPressのプラグインでLightboxを入れている場合などに顕著で、Lightbox側も独自にjQuery基本ライブラリをロードしようとして動かなくなることがあるようです。
このブログではwp-jquery-lightboxプラグインを使用していますが、headタグの最後でjQuery scroll follow plusの必要スクリプトファイル4つを一気に読ませることで動くようになりました。
その他、cssでフォローボックスのpositionをrelativeに設定していないと動かないですとか、色々な条件があるようですが、このあたりは他のサイトの情報の方が参考になると思います。

また、無印は大丈夫でplusだけが動かないという可能性が全くないわけでもありませんので、気になる場合は以下の改変元本家サイトからオリジナルをダウンロードして動くかどうか試してみてください。

jquery.scrollfollow.js : jQuery scroll follow配布サイト
ページ右の"Download Latest Version"からjquery.scrollfollow.zipをダウンロードして解凍します。lib/フォルダの中に目的のjquery.scrollfollow.jsがあります。
jquery.scrollfollowplus.jsの改造ベースとして使用しているのは本家でいうところのver.0.4.0です。
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TS/TSFレビュー : 戦闘破壊学園ダンゲロス

おはようございます、TSキャラ兼TSFレビュアの松下です。
前回の第1回投稿記事は思いのほか沢山の方々に読んでいただき、本人めちゃめちゃ吃驚しております。やはり牛マンは神の遣いなのですね。皆様ありがとうございます。

さて、今回は何をやるかと申しますと、この際TS/TSF記事とレビュー記事の第1回を同時に消化してしまおうということで、取り出だしましたるは架神恭介(かがみきょうすけ)さんの商業初小説作品、「戦闘破壊学園ダンゲロス」です。
ええ、内容をご存じの方は「一回目からまた随分と極端なものを」と思われたかと存じます。何しろ架神さん自身が現役パンクロッカーの肩書を持っているだけあって、内容が凄まじくパンクスピリットに溢れているので、これが世間でTSF作品として扱われているかというと微妙なのですが、下のTSF要素概要を見ていただければお分かりの通り、やはり誰が見ても間違いなくTSF作品なのです。

というわけで今回がTS/TSFレビュー記事1発目となりますが、その前に評価の基準について詳しく、という方はTS/TSF記事概要レビュー記事概要をご覧ください。え、長い? この記事よりは短いよ!

基本情報

  • 戦闘破壊学園ダンゲロス
作品概要
作品名戦闘破壊学園ダンゲロス(せんとうはかいがくえんDANGEROUS)
著作架神恭介(かがみきょうすけ)
販売元講談社
レーベル講談社BOX
作品形式文芸、小説、ライトノベル
流通形態商業現物販売
原画(ひだり)
シナリオ架神恭介(かがみきょうすけ)
初出2011年2月2日
対象年齢青年向け
TSF要素概要
TSキャラの役主人公主人公の恋人レギュラー準レギュラー端役モブ
変化の方向女性化男性化
変化の方法単体変化
変化の持続性任意可逆
変化後の人格元のまま
視点同一型対面型
組み合わせ身体的異性身体的百合身体的薔薇
復元願望必然中庸
性的要素概要
状況自慰通常性交強姦輪姦多穴責め連続責め緊縛着衣筆おろし処女貫通
行為接吻フェラチオイラマチオ手淫ノーマルセックスアナルファック手コキぶっかけ顔射
体位立位
器具拘束具触手
衣装半裸下着学生服
残虐行為解体踏みつけ暴力流血殺害食人
性対象概要
種別人間
性別
立場知り合い同校親族仲間虜囚
容姿年齢幼い若い大人老練
貧乳美乳
人格ノーマル変態・淫乱強姦魔
装備品眼鏡
経験処女非処女経験豊富
相手概要
種別人間
性別
名前ありなし
ありなし
容貌美形普通醜悪不明
陰茎普通伸縮自在
人格変態・淫乱強姦魔サディスト残忍
経験童貞非童貞経験豊富

物語概要

一人に一つの特殊能力を持った「魔人」が存在する世界。
魔人は警察組織でも手に負えない社会の厄介者であり、中でもその魔人を多数集めた希望崎学園、またの名を「戦闘破壊学園ダンゲロス(DANGEROUS)」では、生徒会と番長グループの全面抗争であるハルマゲドンが始まろうとしていた。
希望崎学園に通う生徒である両性院男女(りょうせいいんおとめ)は、そのどちらにも属さない善良な隠れ魔人であったが、この抗争に幼馴染の天音沙希(あまねさき)が巻き込まれたことから、彼女を救うべく自らもその渦中へと飛び込んでいくこととなる。

ダンゲロスの独特な出自とスタンス

このダンゲロス、実は作者の架神さんが色々頑張って二次創作フリーということになっております。というかそれ以前に、本作に登場する半分以上のキャラが他の人が作ったものだったりします。
何故こんなことになってるのかと申しますと、ダンゲロス自体が元々は小説ではなくて、みんなで創作キャラを持ち寄って遊ぶテーブルトーク戦略ゲームなのです(→ wiki)。そのゲームルールを作ったのがほかならぬ架神さんで、ゲームの単なるリプレイではなくて一個の物語としてアレンジして作られたのが小説版のダンゲロス、というわけです。その片鱗が本書冒頭のキャラメイク部分に見受けられます。
なお、表紙にも書いてあります通り、これは講談社BOX新人賞Talents受賞作でもあり、より正確には受賞後に上記の様々な権利関係と表現と分量の調整を行った末に発売されたのが講談社BOX版の小説ダンゲロス、ということになります。

で、みんなで作ったものを出版することができるなら、逆に出版されたものやそれ以前のテーブルトークダンゲロスを元にして、より輪を広げてみんなで後腐れなく二次創作活動が出来るようにならないか、という発想(だったかどうかは定かではありませんが)で、二次創作フリーというスタンスが確立した模様です。作品内のみならず、作品外でも大変意欲的と言えましょう。
詳細が決まっているかどうかは定かではありませんが、今現在も月刊ダンゲロスという電子出版の企画が進行中の模様です。掲示板では「絶対に知っておきたいキャラ10選」という素敵な特集の企画が進行しており、ただでさえ個性豊かな魔人の中から10人を選んだだけあって、キャラ紹介だけで既にもうかなりカオスな状態です。この10人の中にひときわ異彩を放つ「禅僧」がエントリーされているのは、流石は過去に「もしリアルパンクロッカーが仏門に入ったら」を出版している架神さんと愉快な仲間と言ったところでしょうか。

物語の並行進行とそのボリューム

ストーリーは時系列順に進むのではなく、現在の時間を少し進めては次のエピソードで過去話をやって一人のキャラを掘り下げる、という順番で進んでいきます。ややもどかしいですが、ただ掘り下げるだけでなく多くの伏線情報を孕んでおり、場合によっては既存の情報による敵味方の概念がひっくり返るような事実がぽろっと出てくるので安易に読み流せません。

ダンゲロスのキャラは基本的にダンゲロスというテーブルトーク戦略ゲームのために生み出されたため、恨み崎Death子(うらみざきですこ)やあげはなど、能力だけ見ると本当に社会生活を送れるのか不安になるキャラも存在します。そういったキャラに対しては、やはりその能力ゆえに世間の鼻つまみ者になった過去があり、それを踏まえた上できちんと経緯があって両陣営に身を置いている、という説明がありまして、このフォローが出来ているのは素晴らしいと思いました。

一方で、物語概要では既に触れていますが、実は主人公は表紙で対決している番長・邪賢王ヒロシマ(じゃけんのうひろしま)と生徒会長・ド正義卓也(どせいぎたくや)のどちらでもなく、表紙に登場すらしていない両性院男女(りょうせいいんおとめ)です。しかし、普通に買って即読み始めると、序盤は場面や時間の頻繁な切り替わりに慣れないせいもあり、誰が主人公なのかなかなか掴めなかったりします(→キャラ紹介)。

あと一点、本書の厚みについて言及しておかなければいけないんですが、一冊で500ページを超えています。この厚みのためになかなか読み始めるタイミングが掴めず、数日放置した後でよりによって仕事の納期間際に読み始めて貫徹して読み終わったのは今となってはいい思い出です。この厚みでさえ内容が薄いということは全くなく、最初から最後まで濃厚なダンゲロスでした。

ダンゲロスの真骨頂、能力者同士のガチバトル

最善手を絞りつくす

ダンゲロスの最たる特徴にして長所は、ストーリー上の一切の都合を排除した能力者ガチバトルです。既存の例で挙げると、方向性としてはハンター×ハンターに似ていますが、それをさらに極端にした形と言えるかもしれません。何しろ防御力よりも攻撃力が大幅に勝る、殺す気満点のアタッカー連中がひしめき合う集団戦の中で、互いに最善手を繰り出し続けるので、一手読み違えると副将クラスの主要キャラですらあっさり即死します。
例えば「ルールに反したら睨んだだけで相手を即死させる」手ごわい魔人が敵勢力にいるとします。これにどう対処するかと言えば、ルールに抵触しないように行動する、ルールが成立しないようにルール自体を変える、睨まれないように視界を奪う、などの選択肢があります。逆にその魔人自身は、必要な状況でいつでも能力を発動できるように相手がルールに反しやすい状況を整え、場合によってはルール自体も都合よく改変しようとします。これらの可能性を全て考慮して選択されるのが「最善手」です。
こうしたあらゆる可能性を排除せず戦略・物語を成立させたのは、ダンゲロスがやり遂げた一つの功績と言ってよいでしょう。

魔人能力と直結する個性
  • その名も恨み崎Death子さんその名も恨み崎Death子さん

魔人各々には必ず一つずつの特殊能力が設定されており、その能力はそれぞれの魔人の過去の経験と想像力(=中二力)により生み出されたものであるため、これがそのままその魔人の個性、アイデンティティに直結しています。
ゆえに、大人数が立ちまわる集団戦の中でも、どの魔人がどんな能力を持っていて、どんなパーソナリティであるのかすぐに識別することができます。そもそも両性院男女(りょうせいいんおとめ)ド正義卓也(どせいぎたくや)一刀両断(いとりたち)恨み崎Death子(うらみざきですこ)など、名前-能力-パーソナリティが完全に三位一体になってしまっているキャラまで存在します。このネーミングセンス、現実にはあり得ませんが、それゆえになかなかのインパクトだと思います。

また、魔人能力にはハンター×ハンターでいうところの「制約と誓約」にも似た、「条件が厳しいほど効果や発動率、命中率が上がる」という特性があるため、これが一強状態を阻止している一方で、それぞれの勢力は必要な能力を必要なタイミングで確実に発動させるために条件を周到に整えたり、2人以上の連携を以て強力な攻撃パターンを作ったり、失敗の可能性を考慮して別プランを隠し持っていたりします。

手前味噌な話になりますが、そうなるとうちのAXS能力の設定は原理を体系化しすぎて複数能力所持にしたのがやっぱりまずかったかな、と今更反省してみたりしています。

「転校生」の介入とその対策

劇中には「転校生」と呼ばれる異次元の魔人が合計で5人登場します。彼らはゲームのパラメータでいうところの「攻撃」と「防御」の数値が∞であり、ダメージ値が「攻撃」-「防御」の減算で行われるダンゲロス世界では物理攻撃が一切通用せず、逆に転校生の攻撃を防ぐこともできません。いわば慣性の法則を無視した状態、と言い換えてもいいかもしれません。しかし逆に言うと通用しないのは物理攻撃であって、「条件を満たせば相手は即死する」などといった論理能力は普通に通用します。
そのため一見無敵の転校生も、特にリーダーのユキミは慎重に行動し、情報を集めつつ極力生徒会と番長グループの双方が潰し合うように介入していきます。新人転校生のムーにはやや若気の至りが見えますが、それでも何も考えていないわけではなく、リスクは高いが相応のリターンもある、といった行動をしています。
別次元と言えるほど強力無比ではあるものの決して不死身ではない転校生。第3勢力として存在する彼らの動向、そしてその対抗策も本作の緊張感の一端を担っていると言えるでしょう。

淫靡かつ残虐な描写で浮かび上がる狂気と悟りの世界

極限のガチバトルの一方で、ほぼ作者の趣味というか、モチベーションを保つのに必要らしいのですが、これ本当に年齢制限かけなくていいのかな、と心配になるほど性描写や残虐描写が多いです。この記事も果たして全年齢で出していいのかなと思ってしまいます。
具体的な数字を挙げると、例えば1ページで18回も「レイプ」という言葉が登場する強烈な場面があります。まあエッチなのはむしろ私の望むところなのですが、問題は私が苦手なグロ方面です。
作品中に(ひだり)さんによる挿絵が4枚あるのですが、このうち1枚は我らが邪賢王さんのTSシーン。これは必然です。しかし他の3枚は、「作者(の分身である魔人)を生きたままのこぎりで切断するシーン」「能力発動のためにいやいや死体の脳を食しているシーン」「能力封じのために目に針をぶっ刺しているシーン」という構成で、残虐回路フル稼働です。
しかもこれは著者の架神さんが依頼したんじゃなくて、担当編集の方が示した場面候補の中から挿絵担当の左さんがわざわざ残虐シーンを選んで描いたそうです。[1] まあ確かに普段こんな絵を描いてくれなんて依頼はないでしょうけれども。左さんの絵柄そのものは大好きなんですが、残虐成分が多すぎて大分辛かったです。

  • 「セックスは地上最強の格闘技」を体現する宇宙一のビッチ、鏡子さん「セックスは地上最強の格闘技」を体現する宇宙一のビッチ、鏡子さん

ただ、無意味にエロとグロにまみれているのかと言えば決してそういうわけでもありません。
例えば私の一番のお気に入りキャラは「多分宇宙一セックスが上手い」とされる「ぴちぴちビッチ」(※能力名)の鏡子さんなのですが、この人、敵に危害を与えるような行為は一切しないのです。じゃあどうするかと言えば、鏡を通して遠くの相手に性行為が出来るだけの能力と自前の性技を以てして相手を連続で絶頂に導き、次々に行動不能にさせるわけです。そうやって次々にコマが減らされるので、相手には主力級として警戒され、一方で仲間にはその博愛精神が受け入れられ、皆から愛されているという、ビッチの鑑のような人です。その風貌たるや、ぐるぐるメガネに三つ編みおさげ髪という地味の代名詞のようなものですが、どうやら「あらゆる相手を絶頂に導くのが目的であって、自身が着飾ることに意味はない」と達観してしまったらしく、ビッチも極めれば悟りに達するのだなあと思うと感慨深いものがありました。
1冊の作中でそれだけの思い入れを持ってしまっただけに、鏡子さんの退場の仕方には結構凹んだものです。

  • 公開処刑を女子高生と男子高生の自慰のおかずにされた架神さん公開処刑を女子高生と男子高生の自慰のおかずにされた架神さん

また、架神さん(の代理の魔人)が女子高生と男子高生の自慰のおかずにされながら公開処刑される、という非常に衝撃的で狂気に満ちたシーンが序盤にあるのですが、これには「他のキャラを酷い殺し方するからには自分は特にひどい死に方をせねばなるまい」というバランス的な意味があったらしく、更に「俺の処刑で女子高生が自慰してくれるなら耐えられる」→「いや待て、それではペナルティにならない、男も混ぜよう」という微妙なバランス取りをした結果、ダンゲロスを象徴するようなあの狂気のシチュエーションが出来上がったそうです。[1] うん、その価値判断は全然理解できないけど、心意気だけはよく分かったよ!

あと、この作品はどうやらライトノベルにカテゴライズされており、作風からして「どのへんが?」と思われるかもしれませんが、恐らくこの「ライト」は「気軽に読める」の方ではなくて、「命が軽い」という方の意味だと思います。そう考えると全く文句のつけようがないライトノベルです。

気になる点への些細な突っ込み

以下の部分に重要なネタバレを含むため、内容を非表示にしています。閲覧をご希望の方は、お手数ですが下の「内容を表示」ボタンをクリックしてご覧ください。

TSF作品としてどうなのか

  • TS大成功の邪賢王さん/邪賢王ちゃんTS大成功の邪賢王さん/邪賢王ちゃん

TSを戦略として組み込む、という発想からしてもう既存のTSF作品とは一線を画したパンクぶりなのですが、先のリストに挙げました通り、この作品では主人公からモブに至るまで、登場人物の半分以上がTSします。この規模もまた異常と言えましょう。しかしガチバトルが売りのダンゲロスのこと、TSさえすればみんなが美少女になれるなどという甘っちょろい特例を許すわけがなく、邪賢王さんや白金さんのようなごく少数の大成功例はあるものの、やはりがっかりなTSに現実の厳しさを思い知らされたキャラも多かったようです。

それはそうとTSF的に美味しいシチュエーションはあるのか、という問題なのですが、基本的にみんなバトルしてますので、要所でいくつかはあるものの、それよりも性技自体を武器にする鏡子さんの一人勝ち状態と言った感じです。
また、架神さん作品では一番最初に最も重要なことを述べて、それを何度も繰り返して、或いは少しずつ情報を付け足してインプリンティングするという手法がよく採られます。今回もその例に漏れず、最初に言ったことが一番重要だったりするので、TSFというよりむしろ架神さんの言うところの「世界で一番美しいもの」がメインなのでしょう。
というかその主張は実際には冒頭どころか普段から架神さん自身が口走ってるのですが。見方を変えれば、やりたいことをそのまんま主軸に据えてこのレベルの作品が出来てしまったわけで、もはや驚異的と言う他ありません。

邪賢王さんが邪賢王ちゃんになったところで「愛くるしい美少女が強烈な悪臭を放つ学ランを着ることで、そのギャップに多くの不良生徒が却って劣情を催した」という記述があり、これは私のTS価値観からすると全く理解の範囲を超えているのですが、それでも面白いと思ってしまったのはダンゲロスという狂気の世界観の賜物でしょう。

総評

全体的に残虐描写が厳しいものの、うっかり徹夜で最後まで読んでしまった以上は「めちゃめちゃ面白かった」と言わざるを得ません。万人に勧められるなどとは口が裂けても言えませんが、そもそもTSFのようなニッチな市場から見れば間口の狭さに大した差はありません。そんなことより個性満点の能力者同士が相手を殺す気で最善手を打ち続けるガチバトルを最後まで貫いたという点において、意欲的かつ挑戦的でパンクスピリットに溢れる一作だったと思います。
そのあたりを総合的に勘案しまして、以下の評点を奉納いたします。

満足度 896/1000

はい、大変美味しゅうございました。

…実は今頃になってブログを全力仕様で立ち上げたのは、戦闘破壊学園ダンゲロスの感想を書いて発表する場が欲しかった(※よそでやるのは制限文字数的に恐らく不可能)というのも理由の一つでして、それにしても少々気合いを入れ過ぎた気がしなくもありませんが、恐らくきっと気のせいです。

  1. 2011/3/09 the 男爵ディーノwebラジオ情報より [] []
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ボーダーブレイクのプレイ料金は本当に高いのか?

おはようございます、松下です。記念すべき一発目の記事投稿は、まずボーダーブレイクの話題で行ってみることにします。
今回ボーダーブレイク記事概要のページも併せて用意しました。各種データシートなども置いておりますので、宜しければ一緒にどうぞ。

さて、ボーダーブレイクはそのハマり度ゆえに「財布ブレイク」→「口座ブレイク」→「人生ブレイク」などという三段活用が定義されるほど出費が激しいことでよく知られています。
多くのボーダーは「金額を計算したら負け」「絆よりはマシ」という呪文を唱えて現実から目をそらしており、またプレイ料金が高いという前評判から新規参加を躊躇っている方もいるのではないでしょうか。ですが、果たしてボーダーブレイクの単位時間当たりの料金を真面目に計算した人はいるのでしょうか。
というわけで、今回はそういったことをここで計算してみたいと思います。比較対象として同じアーケードロボゲーの「バーチャロンフォース」と「戦場の絆」を例に出してみます。

タイトル ボーダーブレイク エアバースト 電脳戦機バーチャロン フォース 機動戦士ガンダム 戦場の絆
出費 500[円] 500[円] 500[円]
クレジット 5[クレジット] 5[クレジット] 1[クレジット]
リアル秒/ゲーム秒 1 1 0.9
その他設定 250[GP]ボーナス / 5[クレジット] 80[秒] x 2[セット]マッチ、勝敗は五分五分とする 1[クレジット] = 2[戦]
プレイ時間 ( 5[クレジット] x 260[GP] + 250[GP] ) x 1.0[秒換算] = 1,550[秒] 5[クレジット] x 80[ゲーム秒] x 1.0[秒換算] x 2.5[セット] x 2[戦] = 2,000[秒] 250[ゲーム秒] x 0.9[秒換算] x 2[戦] = 450[秒]
単位時間出費 19.35[円/分] 15.00[円/分] 66.67[円/分]

フォースの標準100円設定に対する毎分コストを 15[円/分] = 1[フォース] と定義すると、

ボーダーブレイクの毎分コスト = 19.35/15 = 1.29[フォース]
戦場の絆の毎分コスト = 66.67/15 = 4.44[フォース]

ボーダーブレイクの500円1,550GP設定に対する毎分コストを 19.35[円/分] = 1[ニュード]と定義すると

フォースの毎分コスト = 15/19.35 = 0.78[ニュード]
戦場の絆の毎分コスト = 66.67/19.35 = 3.44[ニュード]

となります。

つまりボーダーブレイクのプレイ料金はフォースの1.29倍、戦場の絆の1/3.44という結果になりました。
結果が出てみると、ボーダーブレイクのプレイ料金は絆よりマシどころか実はフォースの標準設定料金と大して変わりません。しかもフォースでは参加時に連勝しているプレイヤーに挑まざるを得ないので勝率が50%を切ることも珍しくなく、それを考慮に入れると更に差は縮まります。

ただ、2011年3月30日現在の全ての機体・装備を購入すると 100,900[GP] = 32,548[円] かかります(かかりました)ので、お買い物は計画的に。
まあ実際問題としては、お金があっても素材や勲章が足りなくて買えないことの方が多いのですが。

カテゴリー: ボーダーブレイク | タグ: , | 12件のコメント

初めに

おはようございます、松下です。
松下響の天輪返しは架空の存在である私 松下 響(まつした ひびき)が自ら発信する無軌道かつノーフューチャーなブログです。
記事の内容としては、ゲーム、漫画、小説、各種製品についてのレビューや、ボーダーブレイクなど長期的にやっているゲームについての雑感、検証、データシートなどがメインになります。また、各カテゴリを横断してTS/TSF[1] を多く取り扱っていきます。
レビュー記事の評点順一覧はレビュー記事概要ページに、TS/TSFレビュー記事の評点順一覧はTS/TSF記事概要ページに掲載してあります。宜しければご利用ください。

サイトそのものもそうですが、記事によっては未成年の閲覧に相応しくない内容になることがあります。このブログでは、そういった要素を含む記事の内容を初期非表示にしてjavascript開閉ボタンをつけてゾーニングする方針ですので、事情をご了承の上、警告付きで隠してある部分の内容については未成年の方は閲覧を避けてください

なお、ブログタイトルの「天輪返し」とは「天輪」という一撃必殺魔法を跳ね返すためだけのカウンター技[2] で、つまり用途特化しすぎて普段は何の役にも立たないものの喩えです。
その名の通り一般的に役に立つ情報は何一つありませんが、特に構わずやっておりますので予めご了承くださいませ。

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  1. トランスセクシャルフィクション。性転換に関わる創作作品のこと。 []
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