こんばんは、松下です。
もう少しで第2次スーパーロボット大戦Z 破界編が終わるところなんですが、合間でひとつ読んだものがあるので忘れないうちにレビューしておこうと思います。
というわけで今回のレビュー対象は「邪悪な魔王が伝説の女勇者に転生したようです」という実に判りやすいタイトルのラノベです。今月発売されたばかりの新作ですね。流行っているのかどうかは知りませんが、近頃TSFの新作が増えてきているのは良い傾向です。同じTSFの新作でも内容の傾向によっては全く食指が伸びないこともあるので、意外と数は重要です。
この作品は販売カテゴリとして18禁ではないのですが、あからさまに性的要素がメインなので一応例によって記事を隠しておきます。閲覧をご希望の方は、お手数ですが下の「内容を表示」ボタンをクリックしてご覧ください。
基本情報
作品概要 | |
---|---|
作品名 | 邪悪な魔王が伝説の女勇者に転生したようです |
著作 | |
販売元 | キルタイムコミュニケーション |
レーベル | あとみっく文庫 |
作品形式 | 小説、ライトノベル |
流通形態 | 商業 |
原画 | |
シナリオ | |
初出 | 2011年4月19日 |
対象年齢 | 青年向け |
TSF要素概要 | |
TSキャラの役 | 主人公 |
変化の方向 | 女性化 |
変化の方法 | 単体変化 |
変化の持続性 | 非可逆 |
変化後の人格 | 元のまま |
視点 | 同一型 |
組み合わせ | 身体的異性、身体的百合 |
復元願望 | 希薄 |
性的要素概要 | |
状況 | 自慰、通常性交、覗き、セクハラ、強姦、輪姦、多人数責め、多点責め、多穴責め、連続責め、拘束、宙吊り、拡張、青姦、筆おろし、処女貫通、孕ませ、結婚 |
行為 | 接吻、フェラチオ、イラマチオ、乳揉み、乳首責め、パイズリ、陰核責め、手淫、ノーマルセックス、子宮責め、アナルファック、足コキ、中出し、ぶっかけ、大量射精、産卵 |
体位 | 後背位、密着後背位、騎乗位、アクロバティック |
器具 | アナル尻尾、触手 |
衣装 | 半裸、下着、二ーソックス |
演出 | 淫語 |
性対象概要 | |
種別 | 人間 |
性別 | 女、TS |
立場 | 幼馴染、親族、上司、戦士・騎士、勇者、魔王、王侯貴族 |
容姿年齢 | 若い |
背丈 | 普通 |
体型 | 標準、むっちり、ボテ腹 |
胸 | 美乳、巨乳 |
尻 | 美尻、巨尻 |
陰毛 | 薄い |
無駄毛 | なし |
人格 | ノーマル、男前、前向き、快活、負けず嫌い、高飛車、外道 |
装備品 | 獣耳 |
経験 | 処女 |
相手概要 | |
種別 | 人間、人型異種族、亜人、異形 |
性別 | 男、女、両性、不明 |
名前 | あり、なし |
顔 | あり、なし |
容貌 | 男前、普通、不細工 |
陰茎 | 普通、太い、極めて太い、精液が多い |
人格 | ノーマル、男前、真面目、熱血、情熱的、温和、馬鹿 |
経験 | 童貞、非童貞 |
物語概要
その昔、魔王ブロウ・ブロウと勇者アーレスは、魔族と人類の雌雄を決する決戦のさなか、破壊神の唐突な乱入によりその命を落としてしまった。
それから百年余り経ち、魔王ブロウ・ブロウは人間の少女レスティーナ・リグボルトとして生を受け、何をどう間違ったのか有力な勇者候補として強く美しく成長していた。
レスティーナは魔王ブロウ・ブロウの記憶をそのまま引き継いでおり、幼少より鍛えた剣士としての強さは申し分なかったが、その身体に宿る魔王の魔力をどうしても使えないのが悩みだった。また、魔王としての目的を果たすためには、勝手に付いてくる仲間がどうにも邪魔だった。
ある日、置き去りにするために仲間を罠にはめたレスティーナはうっかり自らも低級の魔物にとらわれてしまい、魔物とじかに接触することで自らの闇の魔力を引き出せるようになることに気付いた。
こうして、魔王復活という目的を果たすため、いやいやながらも魔物と戯れる、勇者候補で前世は魔王のレスティーナの冒険が始まったのだった。
タイトルや目次から即判る超展開
タイトルで丸わかりですが、当TS/TSFレビューで早くも3つ目の「勇者と魔王の物語」です。なんか流行ってるんでしょうか。ついでに今回は元魔王で現在勇者ときました。
表紙の絵柄が結構好みなのと、同じテーマの世界を征服するための、3つの方法や魔王様げ~む!との作風の違いが気になってつい買ってしまったのですが、表紙をめくるといきなり口絵で魔王様がポールダンスしてて、一体これはどんな内容なんだと目を疑いました。
更にもう一枚めくるとパーティー勢揃いの見開きがあり、もう一枚めくると目次なんですが、目次に掲載されている第二章のタイトルがこれまたひどいわけです。
第二章 うれしはずかし産卵勇者!?
産卵か。第二章で早速産卵なのか。トばすなあ。
で、実際読み進めてみますと、処女のまま魚人に卵を産みつけられて、更にそれを自ら産卵するという斜め上の超特殊プレイが待っていました。いやはや魔法ってこういうとき便利ですね。現実寄りのうちの世界観では真似できないわ。いや産卵だけならできるけど。
そんなわけで、当作品は年齢制限がかかっていない書籍であるにもかかわらず、かなり変態度が高いです。
性別変わってかなり経ってるのに初々しい元魔王様
元魔王(男)で現在勇者候補(女)のレスティーナですが、彼女には男に戻ろうとかそういう目的意識は全くありません。第一目的は再度魔王に返り咲いて破壊神に復讐を遂げることであって、男だとか女だとかそんなことは二の次というわけです。そもそも生まれ変わって種族も性別も全く別の存在になっているため、性別が男になったところで前の状態に戻るわけではないというのもあります。
そんなわけで不本意ながら可憐な美少女勇者として育ったしまった元魔王様は、目的意識が高すぎるために性に関する意識が非常に薄くて、冒険の序盤で触手に体をまさぐられてようやくそのあたりを自覚します。同時に剣術の兄弟子のウィリアムも自分を女として見ているのでは、ということに気づき、また魔王時代に自分が行ってきたことも改めて思い出して、ここで疑似的に性転換直後のような状態になります。
それ以外の場面でも、性的な場面でウィリアムを意識して気持ちが昂ったりすることが結構あり、前世は男でも現世で女としてここまで育ったことで初々しい恋心をたびたび見せてくれます。そういったところが大層可愛らしくて、御馳走様でしたと言わざるをえません。当のウィリアムも冒頭の一件以来レスティーナを女として意識しており、見事な両想いです。幸せになっちまえこの野郎。
なお、レスティーナ本人は真剣に魔王として復活することを考えているのですが、邪魔な仲間を罠にはめるにも命の危険がないように配慮していたり、悪事を働こうとしても結構姑息だったりするので微笑ましいものがあります。
充実しているイラスト
当作品のイラスト数は結構多いです。
まず表紙でカラー1枚。
表紙をめくってポールダンスのカラー1枚。
次にパーティー全員揃ったカラー見開きが1枚。
目次にさらにカラー1枚。
登場人物紹介で6枚。
第一章で3枚。
第二章で4枚。
第三章で3枚。
第四章で2枚。
第五章で3枚。
以上、合計で25枚。登場人物紹介を全部で1枚とカウントしても20枚ありました。
特に絵柄が崩れることもなく、局部をきっちり消してはあるものの全年齢でいいのかなと思うような絵も結構あります。販売価格も安い方ですので、絵柄が好みならいっそイラスト目的で買っても損はないかもしれません。
あと、本文挿絵で最多の4枚が存在するのは例の産卵の章というのが評価せざるを得ません。
なお、本文中の記述と挿絵、その配色に幾つか齟齬があり、本文中では赤みがかった茶色とされているレスティーナの髪の色がどう見てもピンクだったり、強靭な鱗で勇者の剣戟を受け止めたとされる魔王ブロウ・ブロウの腕にどう見ても鱗がなかったりしますが、レスティーナが可愛いので全てよしとします。
一部納得のいかない展開
以上のように予想外のハイレベルプレイや挿絵の質と量は大変良いのですが、中盤から終盤にかけて一部納得のいかない部分があります。
以下の部分にネタバレを含むため、内容を非表示にしています。閲覧をご希望の方は、お手数ですが下の「内容を表示」ボタンをクリックしてご覧ください。
- ウィリアムを想って取っておいた処女を、中盤よくわからない勢いで唐突に捨ててしまう。
- 輪姦で肉欲に溺れたような描写がありながら、場面転換後に急にコメディになって唐突に復活する。
- 序盤から終盤手前までレスティーナとウィリアムの密かな相思相愛ぶりを散々煽って待たせておきながら、最終章に突入したらそれを置いといて破壊神との決戦が始まった。ウィリアムとの相思相愛展開をやったらページが足りないんじゃないかと思っていたら、決戦のついでに片づけられて少々物足りなかった。
総評
同じラノベで同じ題材の魔王様げ~む!あたりと比べると、読みやすさを維持しつつ対象年齢を引き上げたのか、性的にインパクトのある方向に尖ってますね。その分、中盤から終盤で少々欲求不満が出るなど、バランスに少々難がある部分もありますが、やや長所が上回っていると感じました。
以上をもちまして、以下の評点を奉納いたします。
魔王レスティーナが大変可愛かったです。はい。
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