おはようございます、松下です。
引き続きCROWD祭り進行で参ります。今回のレビュー対象は「世界を征服するための、3つの方法」です。はい、やっと現代に追いついて参りました。といったところですが、今回でCROWD祭りは一区切りとなります。
え、「X Change Altanative 2」と「魔王を征服する666の方法」ですか?
Altanative 2は題材が単体の性転換ではなくて「身体入れ替え」で、なおかつ絵がポップでデコっぽいので、ちょっと食指が伸びません。
ファンディスクの魔王666はお気に入りキャラのルートのみプレイしてますが、時間の都合上そこで止まっております。
ゆえにここで一区切りというわけです。
では張り切って参りましょう。
18歳未満の閲覧に適さない記事のため、以下の内容を非表示にしています。18歳以上で閲覧をご希望の方は、お手数ですが下の「内容を表示」ボタンをクリックしてご覧ください。
基本情報
作品概要 | |||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
作品名 | 世界を征服するための、3つの方法 | ||||||||||||||||||||||||||||||
著作 | CROWD | ||||||||||||||||||||||||||||||
販売元 | CROWD | ||||||||||||||||||||||||||||||
レーベル | CROWD | ||||||||||||||||||||||||||||||
作品形式 | ゲーム、アドベンチャーゲーム | ||||||||||||||||||||||||||||||
流通形態 | 商業、現物販売、ダウンロード販売 | ||||||||||||||||||||||||||||||
原画 | ワタナベマルム | ||||||||||||||||||||||||||||||
シナリオ | Qtron | ||||||||||||||||||||||||||||||
音楽 | 墨染サウンド | ||||||||||||||||||||||||||||||
出演 |
| ||||||||||||||||||||||||||||||
初出 | 2009年3月27日 | ||||||||||||||||||||||||||||||
対象年齢 | 18歳以上対象 | ||||||||||||||||||||||||||||||
TSF要素概要 | |||||||||||||||||||||||||||||||
TSキャラの役 | 主人公、主人公の恋人、レギュラー | ||||||||||||||||||||||||||||||
変化の方向 | 女性化、男性化、両性・中性化 | ||||||||||||||||||||||||||||||
変化の方法 | 単体変化 | ||||||||||||||||||||||||||||||
変化の持続性 | 非可逆、任意可逆 | ||||||||||||||||||||||||||||||
変化後の人格 | 元のまま | ||||||||||||||||||||||||||||||
視点 | 同一型、対面型 | ||||||||||||||||||||||||||||||
組み合わせ | 身体的異性、精神的異性、身体的百合 | ||||||||||||||||||||||||||||||
復元願望 | 必然、中庸 | ||||||||||||||||||||||||||||||
性的要素概要 | |||||||||||||||||||||||||||||||
状況 | 自慰、通常性交、多人数責め、多点責め、多穴責め、入浴、緊縛、調教、露出、青姦、処女貫通、結婚 | ||||||||||||||||||||||||||||||
行為 | 接吻、フェラチオ、イラマチオ、乳揉み、乳首責め、パイズリ、尻ぱふぱふ、手淫、クンニリングス、肛門責め、アナルファック、手コキ、中出し、ぶっかけ、顔射 | ||||||||||||||||||||||||||||||
体位 | 正常位、屈曲位、後背位、密着後背位、騎乗位、対面立位、背面座位、69 | ||||||||||||||||||||||||||||||
器具 | バイブレータ、ディルド、異物、縄、触手 | ||||||||||||||||||||||||||||||
衣装 | 全裸、半裸、下着、ウェディングドレス | ||||||||||||||||||||||||||||||
演出 | BGV | ||||||||||||||||||||||||||||||
不衛生行為 | 放尿 | ||||||||||||||||||||||||||||||
性対象概要 | |||||||||||||||||||||||||||||||
種別 | 人型異種族 | ||||||||||||||||||||||||||||||
性別 | 女、TS | ||||||||||||||||||||||||||||||
立場 | 有名人、幼馴染、婚約者、主、上司、敵、魔王、王侯貴族 | ||||||||||||||||||||||||||||||
容姿年齢 | 幼い、若い | ||||||||||||||||||||||||||||||
背丈 | 普通 | ||||||||||||||||||||||||||||||
体型 | 標準 | ||||||||||||||||||||||||||||||
胸 | 貧乳、美乳 | ||||||||||||||||||||||||||||||
尻 | 美尻 | ||||||||||||||||||||||||||||||
陰毛 | なし | ||||||||||||||||||||||||||||||
無駄毛 | なし | ||||||||||||||||||||||||||||||
人格 | ノーマル、鈍感、男前、温和、負けず嫌い | ||||||||||||||||||||||||||||||
装備品 | 獣耳 | ||||||||||||||||||||||||||||||
経験 | 処女 | ||||||||||||||||||||||||||||||
相手概要 | |||||||||||||||||||||||||||||||
種別 | 人間、人型異種族 | ||||||||||||||||||||||||||||||
性別 | 男、女、TS | ||||||||||||||||||||||||||||||
名前 | あり、なし | ||||||||||||||||||||||||||||||
顔 | あり、なし | ||||||||||||||||||||||||||||||
容貌 | 美形、男前 | ||||||||||||||||||||||||||||||
人格 | ノーマル、変態・淫乱、サディスト、男前、豪快、素直、情熱的、家庭的、気障、馬鹿、頑固、高飛車 | ||||||||||||||||||||||||||||||
経験 | 童貞、非童貞、経験豊富 |
物語概要
人類と魔族が対立するファンタジー世界。
この世界では過去の戦争の結果、人類側に世界の覇権が握られており、魔族は限られた領土で生活を営みながら、魔王ラスティ・ルーアンを筆頭とした魔族軍勢が勇者クラウス・ランカスターを筆頭とする人類王国軍と日々小競り合いを繰り返していた。
勇者以外の人類はてんで大したことはなかったのだが、しかし人類最強と謳われる勇者クラウスだけが桁はずれに強く、魔王ラスティは毎回苦汁をなめさせられていた。
ある日、魔王ラスティは宿敵である勇者を倒すための秘策として肉体強化薬を作り、勇者クラウスの目の前でそれを飲んで見せた。
ところがその薬が想定通りに完成していなかったようで、薬を飲んだ魔王ラスティは強くなるどころか吐血して苦しみ、身体はみるみる縮んでしまい、そしてなんと女になってしまった。
勇者クラウスは女になった魔王ラスティに一目惚れしてしまい、そのままお姫様抱っこで自らの居城に拉致してベッドイン。さあ魔王ラスティの運命やいかに。
いい感じのペース配分
この作品、Yin-Yang! X Change Alternativeあたりの反省を踏まえてか展開が非常に早く、開始して2行目で早速HCGを拝めます。それからそこに至るまでの経緯が説明されます。
他のHシーンとそれ以外のシーンの配置もなかなかテンポが良く、堅実な改善の跡が見られます。
キャラの大幅強化
攻略対象の男キャラがよりどりみどり
本作では、ラスティ(女)と相思相愛でハッピーエンドを迎える男キャラが二人、例外エンドでもう一人、性別自由自在の存在が一人、更にわざわざ男になってラスティ(女)と添い遂げる女キャラがもう一人います。また、惜しいことにエンディングには全く関与しませんが、ラスティに恋心を抱いて衝動的に尻にかぶりつく少年が一人います。
まさによりどりみどりといった様相なのですが、以下に述べる通り、キャラ一人一人もかなり好感度が高いです。
大半のキャラの好感度が高い
まず我らが魔王様、ラスティ・ルーアン。女性化したラスティの可愛らしさについては言うまでもないレベルですが、この人は男だった頃からかなりの好漢です。
ラスティは魔王なのに魔力を持たないという特大のコンプレックスを抱えて育ったのですが、それでも腐らずに己を磨き、鍛えた剣技と学んだ科学を以て人類最強の勇者に挑みます。しかも卑怯な手で勝っても意味が無いと言い切り、目の前でか弱い少女が危険にさらされたなら、たとえそれが敵対する人類でも身を呈して守る。それほどの男前です。
また、「魔法が使えないなら科学を使う」という発想の切り替えも素晴らしいです。
まあそもそも「魔王」とは言っても「魔力に優れる人類とは別の種族」である「魔族」を束ねる「王」という意味の肩書なので、元々悪しき存在でも何でもないのですが。
勿論女になってもそういったポリシーに変化はなく、あくまで魔王の誇りを以て事に対処しようとします。
次に魔王ラスティの側近であるルカート・マティール。彼はラスティの育ての親でもあり、ラスティが最も信頼を寄せる人物です。
ルカートは魔王の側近ですので、勿論勇者打倒のための作戦立案や研究の手伝い、戦闘サポートもこなします。しかし彼が本領を発揮するのは、むしろ日常です。
魔王ラスティは普段魔王城に住んでいるのですが、魔族の勢力が縮小しているせいもあり、城に住んでいるのは基本的にラスティとルカートの二人だけです。それで炊事・洗濯・掃除は誰がやるのかといえば、勿論全部ルカートがやります。それもこき使われるとか、いやいやとか、仕事だからとか、そういった風ではなく、むしろ嬉々としてラスティの世話を焼くのがルカートという男です。料理の腕も抜群で、ルカートの料理は暖かいおふくろの味がするとの評判です。何より、コンプレックスを抱えるラスティが腐らずまっすぐに育ったのは、ほぼこのルカートのお陰というのが大きなポイントです。
もはや側近というより家族というか、保護者というか、ラスティのおかんですね。無論割烹着も物凄く似合います。
しかし彼にも女性に免疫が無いという致命的な弱点があり、そんなルカートと女性化したラスティとの関係は、何とも微笑ましいものです。
忘れてはいけないのが、魔王様の婿候補筆頭、「変態勇者」ことクラウス・ランカスターです。
その強さ、余裕、そして目の前で女性化した魔王ラスティを即決でお持ち帰りする行動力、直球ど真ん中の求愛行動、相手が本気で拒むなら我慢して退く紳士ぶり、ここぞのピンチに現れるヒーロー体質、「こんなこともあろうかと」と所持している数々の怪しげなアイテム。どこをとっても素敵です。
素直に勇者ルートに入ると、魔王ラスティ(女)はそんな変態勇者の熱烈な求愛を受けつつ、魔王の重責と自分の身体と自覚のない恋心に悩みながら幾度となく身体を重ねる展開になります。あまりにも饒舌に愛を語るため一見軽薄に見える勇者クラウスですが、その想いは一貫してラスティ一筋です。それってとっても素敵やん。
また、ラスティの幼馴染で許嫁のリーザ・ファルシェなのですが、この人が可愛らしいなりをして実はかなりのドSで、展開によっては魔王ラスティ(女)を野外調教したりするので、女キャラだからと言ってうっかり見逃せません。
ところで過去一度CROWD公式でキャラ人気投票が行われておりまして、その結果はこの通り(※本編ネタバレあり注意)なのですが。
ええ、男向けのエロゲなのに第1位、3位、4位、5位が男という異常事態が発生しているのがお分かりいただけましたでしょうか。まあ1位はノリで獲ってしまったのもあるでしょうが、それにしても男キャラの支持率が異様に高いのです。その傾向は乙女ゲーにも似ると言われ、なるほど、案外近い分野かもしれないと思いました。
なお、この投票の直前、2009年エイプリルフールには「続編が乙女ゲーとして出る」という嘘告知がありましたが、ぱっと見、何がおかしいのか気付きませんでした。
過去作と比較して安定している絵柄
同ブランド過去作と比べての話ですが、本作品では結構絵柄が安定しています。
人体や立体の正確さに注目するとXchange3の頃の赤崎やすまさんやYin-Yang! X Change Alternativeの田島直さんの方が絵の上手さ自体は上のような気はするのですが、無印Xchange三部作やそのリメイクのように古さを感じることもなく[1] 、Yin-Yang! X Change Alternativeのように立ち絵と一枚絵の絵柄が全く違うということもありません。全て同一の絵柄で、一定以上の品質を保っています。
武器や鎧の書き方が若干下手だったり、一部の差分シーンで口の位置が不自然にずれてたり、一部のシーンで輪郭が立体的に微妙だったりすることはありますが、過去作に比べればまだ可愛いレベルです。というか武器や鎧が微妙なのは着色担当の責任のような気もします。
あと、「勇者クラウスが魔王ラスティ(女)をお姫様抱っこする立ち絵」があるのが激しくポイント高いです。いい仕事をしていると言わざるを得ない。
なお、ところどころ登場するデフォルメのちびキャラがかなり独特の体型をしており、寸胴に棒状の手足といったスタイルになっています。これあんまり可愛くないような気がしなくもないのですが、まあ重要なシーンには絡まないので積極的に気にしないことにしています。
謎の豪華声優陣
まず前提として、ほぼ全員の演技が水準以上で、全く文句のないレベルです。
そのような高水準の中で更に光っているのがリーザ・ファルシェ役の民安ともえさん。とてもチャーミングな声色が素敵です。
そして我らが変態勇者クラウス・ランカスター役の黒木凱さん。子安武人さん似の声で、愛と余裕と変態が入り混じった絶妙の演技です。
…などと当初思っていたわけですが。
→wikipedia : 天空戦記シュラト > 登場人物 > 主要人物 > 黒木凱
どう見ても子安武人さん本人です本当にありがとうございました。
というわけで、仕事選ばないにもほどがある御大将が素敵すぎるというオチでした。これでは子安さんをますます好きにならざるを得ない。
あと、出番は少ないですが、ウルメール・ベティス・フォン・フェスタリトIX世国王陛下役とシフ長老役は私一押しの一条和矢さんです。今回も絶妙な緩急で楽しませていただきました。
意外に音楽もいい
普通のエロゲだと真っ先に予算を削られるところだと思うんですが、このゲームは主題歌やBGMも結構出来がいいです。
このあたりが密かに自慢だったのかは知りませんが、初回版だけにサントラがついていて、全BGMと主題歌が収録されています。実に気が効いてます。
そのせいで、誰とは言いませんが当初ダウンロード版で購入したのに、つられてうっかり初回版も買ってしまった馬鹿もいます。
ところでこのサントラ、ロット不良があったらしくて買ってすぐはまともに再生できないのですが、アンケートはがきで交換要請して事なきを得ました…とのことです。
細かい気配りが出来ている補助システム
CROWDでは「X Change Alternative 2」から搭載が始まったらしいのですが、本作品には
これは何かと申しますと、台詞の読み上げとは別にキャラのあえぎ声を途切れず再生し続けるという、エロゲならではの素敵なシステムです。
また、一度プレイしたシナリオをHシーンのみならずどこからでも回想できる「シーンジャンプ」という補助システムが搭載されています。これが案外良くできてまして、タブ選択とアイコン選択でシーンの絞り込みまで出来て、恐ろしいまでのユーザーインターフェイスの充実ぶりを感じます。
シンプルに立ち返った性転換原理
今作では「肉体強化薬の失敗で性転換」ということになっており、仮性半陰陽という少し突っ込んだ設定であったYin-Yang! X Change Alternativeよりは無印Xchange三部作に近い設定になっています。
まあ確かにAlternativeのような設定ですと基本的に主人公以外は性転換できないという制限が出てきます。あの設定が悪かったとは思いませんが、話をどう振るかによって主人公限定かそうでないかを使い分ける必要があり、今回は限定しない方向だったのかもしれません。
あとこの記事を書いていて若干めんどくさかったのですが、この作品ではキャラの名前が日本名ではありませんので、性別が変わっても呼び名や表記は全く変わりません。
世界を征服するための、3つの方法
さて、タイトルの「世界を征服するための、3つの方法」ですが、本編において魔王ラスティ・ルーアンは実際にどのような方法で世界を征服したのでしょうか。
以下の部分にネタバレを含むため、内容を非表示にしています。閲覧をご希望の方は、お手数ですが下の「内容を表示」ボタンをクリックしてご覧ください。
- 女になって勇者に嫁ぐことで人類と魔族が和解し、世界征服に成功した。
- 勇者の妹を娶ることで人類と魔族が和解し、世界征服に成功した。
- 女になったことを利用して国王と勇者に取り入り、傀儡政権を築くことで世界征服に成功したが、毎日底なし二人相手のセックスが忙しくてそれどころではなくなった。
以上をまとめるとつまり、性別の壁を越えると同時に種族の壁も越え、武力ではなく愛と色欲で世界を征服したということですね。
まさにLove & Conquer.
以上でネタバレを終わります。
総評
ごく一部に気になる点はあるものの、絵も演技も音楽も展開も充実しており、非常に満足度が高い作品であると言えるでしょう。
ゲーム性が高いかと言われれば、単なる選択肢分岐ゲームなので決して高くはありませんが、大半のエロゲや恋愛ゲームも同様ですので、今更それが欠点とは言えません。むしろBGVやシーンジャンプなどの気が効いた補助システムを搭載している分だけ優れていると言えます。
以上を鑑みまして、以下の点数を奉納いたします。
君が好きだと叫びたい。
- 赤崎やすまさんのサイトを見に行くとわかりますが、Xchangeシリーズ制作時には一貫した絵柄をキープしていただけで、今現在の絵柄は別に古くはありません [↩]
最近のコメント