徹夜でしょうか早起きでしょうか、兎に角おはようございます、松下です。
今回は引き続きエスクードの水鼠さん原画ゲーム、「彼女は
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基本情報
作品概要 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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作品名 | 彼女は | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
著作 | 有限会社エレメント | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
販売元 | 有限会社エレメント | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
レーベル | エスクード | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
作品形式 | ゲーム、恋愛ゲーム、アドベンチャーゲーム、シミュレーションゲーム、ロールプレイングゲーム | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
流通形態 | 商業、現物販売 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
人物デザイン | 水鼠、了藤 誠仁 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
原画 | 水鼠、了藤 誠仁 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
CG | こうな、おじ、あおいゆき、フルオレ、響姫 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シナリオ | 村田咲人 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
音楽 | TOY [Studio Primitive]、Rita | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出演 |
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初出 | 2011年11月25日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
対象年齢 | 18歳以上対象 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性的要素概要 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
状況 | 通常性交、セクハラ、多点責め、連続責め、入浴、着衣、青姦、処女貫通 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
行為 | 抱きつき、接吻、フェラチオ、乳揉み、乳首責め、パイズリ、尻撫で、手淫、クンニリングス、ノーマルセックス、アナルファック、手コキ、足コキ、中出し、ぶっかけ、顔射 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
体位 | 正常位、後背位、密着後背位、対面女性上位、騎乗位、背面立位、側位、69 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
衣装 | 全裸、半裸、二ーソックス、学生服 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性対象概要 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
種別 | 人間、人型異種族 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性別 | 女 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
立場 | クラスメイト、同校、友達、幼馴染、恋人、協力者、神 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
容姿年齢 | 若い、大人 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
背丈 | 低身長、普通 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
体型 | スレンダー、標準、むっちり | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
胸 | 貧乳、美乳、巨乳、爆乳 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
尻 | 小尻、美尻 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
陰毛 | なし | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
無駄毛 | なし | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
人格 | ノーマル、たおやか、素直、依存的、前向き、真面目、熱血、冷静、情熱的、家庭的、温和、知的、馬鹿、理屈っぽい、負けず嫌い、高飛車 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
装備品 | 眼鏡、リボン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
経験 | 処女 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
相手概要 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
種別 | 人間 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性別 | 男 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
名前 | あり | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
顔 | あり | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
容貌 | 普通 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
陰茎 | 普通 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
人格 | ノーマル、鈍感、冷静、馬鹿、理屈っぽい、意志薄弱 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
経験 | 童貞 |
物語概要
私立照陽学園。近頃この学園には、奇妙な怪異の噂が流れていた。
この学園に所属する
登場人物
私立照陽学園高校2年生、理数科特進学級所属で文芸部の副部長の
他人から見た場合の長所は優しさ、本人の主張する長所は冷静さ、と定義づけられています。それだけでなく、アマテラスに命を助けられた際に草薙の剣をその身に宿しているため、神と同等クラスの力を得ています。
肩書きからして理系・文系両面に教養がある人物であるとして、序盤から過剰なまでのインテリトークやパロディトークを繰り広げます。実際の事件の最中においても比較的知略面での活躍が多くなっており、後輩を助けるために危険を顧みず突っ込むほどの勇気もあるのですが、一部の場面においては予想外に惰弱な価値観で味方全体の足を引っ張ります。その優柔不断さから「不確定性男子」とも呼ばれています。また、主人公にありがちな鈍感気質です。
作中で本名以外の呼び名が多数あり、「わーくん」「先輩」「お兄さん」「ワカ」「坊や」「小僧」「バカ彦」「照陽学園が生んだフィリップ・マーロゥ」「アヘ顔ダブルピース」などと呼ばれています。
妙に癖のある性格に反して、キャラクターデザインはいわゆるプレイヤー同一型の「顔のない主人公」で、一応デザイン設定があるものの、ステータス画面と戦闘画面で片目を覗かせている以外では目の描写が一切ありません。
古事記や日本書紀では国譲りのくだりで高天原から遣わされたにもかかわらず国津神の
八百万の神の頂点に立つ太陽の女神
女王様気質のドSキャラ、という設定ですが、実際のところいじめる対象は稚彦限定です。また、戦いにおいては人を守るためにそれ以外のものに対して冷徹になれる、ある種の覚悟を持っています。そのあたりが度を超えたアマチャンの稚彦とは違います。
崇り神との戦いで瀕死の重傷を負った稚彦の命を救うべく登場し、その後の崇り神関連事件解決において、家庭・学校の両方で稚彦と行動を共にします。
ドS毒舌キャラという特徴は、恐らく乙女恋心プリスターの人気投票でサンデー・クノウ(ヒロイン総合1位)とエイレーネ(ヒロイン総合5位、サブヒロイン中1位)という二人の毒舌キャラが猛威をふるったために、じゃあ次はこれをメインに据えようという流れになったのではないかと推察します。私もエイレーネやサンデーのカイトいじりは大好きです。今回のアマテラスも「お主のあだ名をアヘ顔ダブルピースにしてやる」が相当効きました。そんなあだ名つけられたら私でも心折れます。
言うまでもなく太陽の女神
武神にして剣神にして雷神、戦いの女神
水色のツインテールでお馬鹿キャラということで何となくレムを思い出しますが、タケミカヅチの場合武神だけあって本当に強く、単騎突出でもしない限りは優秀なアタッカー、攻撃力の要です。まあ単騎突出してしまうのが残念なところなんですが。
日本神話における武神
古事記では
芸能の神
大変グラマラスな上に性的な話題に関して積極的で露出狂という、大変ありがたい神様です。にもかかわらず現代まで2000年以上純潔を守ってきたというのが本作屈指の謎となっています。
その心は慈愛に満ちており、稚彦ほどではないにしろ思考が平和主義で、なるべく争いを避けようと行動します。
日本神話では岩戸隠れのエピソードで神々の前で裸踊りをして場を盛り上げ、絶賛引き籠り中の
私立照陽学園高校2年生、文系学級所属で文芸部部長の
一見表情豊かな普通の女の子ですが、10年前に家屋全焼で両親を喪ったという過去を持ちます。味方として戦闘に参加することはありませんが、ストーリー上の鍵になるキャラです。
日本神話における
私立照陽学園高校1年生、文芸部所属の
好奇心の塊で、論理思考、情報収集のエキスパートです。本作のエピソードは彼女が怪異の噂の広まり方に不審を感じて調査に乗り出したことから始まります。
明るく知的でユーモアのある性格で、高尚な話をしていたかと思えばいつの間にかエロトークになっていて、体を摺り寄せてきたり下ネタ連呼してぴょこぴょこ跳ね回ったりします。「面白可愛い」と評して差し支えないキャラだと思います。しかも当初から稚彦に好意を持っていて、冗談めかしながらもかなり積極的に稚彦にアプローチをかけています。それだけに稚彦が彼女を女として見ていないというのが全く不可解でなりません。鈍感にもほどがあります。
ちなみに眼鏡は伊達眼鏡だそうです。
私が本作で一番気に入ったキャラです。サブヒロインの中で唯一の性交シーンがあります。
学問の神様、
史実にも存在する
人格も子供っぽく、エピソード序盤で稚彦が久延りつかと一緒に道真を助けたことで、稚彦に懐くようになります。
武神にして刀神にして風神、タケミナカタ。
その肩書きの通り、タケミカヅチと対をなす存在です。デザイン上、脚のスリットにどうしても目がいきます。
遭遇状況が悪いせいもあり、実は作中で最も倒すのに苦労するキャラで、倒してもストーリーの変化はありませんが、それでも無理して倒すと作中最も強力なスキル「光玉・改」が貰えます。
ある意味隠れサブヒロインともいえるキャラで、私は結構好きです。
日本神話、古事記では国津神の
伏見稲荷大社の主、ウカノミタマ。いわゆるお稲荷さんです。
結界の中に限ればアマテラスより強いといわれる実力者で、勢力争いには傍観を決め込んでるのであまり協力してくれませんが、本気を出すとめちゃめちゃ頼りになります。9本の尻尾が生えているのでもふもふです。
唯一の京都弁キャラで、デザイン上どう見てもぱんつ穿いてません。大変魅惑的なのですが、えっちなシーンが全く無いのが残念です。
日本神話で言う穀物の神、
災厄の女神、
見た目は青い肌と大きなカギ爪が特徴の妖艶なお姉さんで、登場早々に稚彦を容赦なく半殺しにします。本作中の当面の敵である崇り神(穢れにより堕ちた神)を統べる存在であるため、その後も主人公たちと敵対します。そのため真っ黒な悪役のようにも見えますが、他の神と違ってそもそもが崇り神として生まれたばかりに、浄化によって普通の神になることが無く、他の神のように祈り慕われることもない自らの運命を恨んでいるという一面を持ちます。
日本神話では
なお、
殺神鬼、
アフロ頭にルパンのような赤スーツという、ワタナベシンイチ監督そのものの容貌と、殺戮衝動という宗像形(めだかボックス)とほぼ同じ異常特性を持ちます。ただしゴローちゃんの場合は本当に衝動を抑えられず、実際に殺してるというところが大きな差異です。そのために人でありながらまともな人間として生きられないという業を背負っています。
殺戮衝動という対価を支払って得た戦闘能力は極めて高く、神と対等以上に戦えるほどの力を持っています。また、神殺しを生きがいとしています。ただし同じような業を持った
日本神話では特にモデルとなった神はいないようで、苗字や技名などからして倫敦の連続殺人犯「切り裂きジャック」がモデルの一つのようです。
命を司る神、
アマテラスの親友で、三種の神器の一つ
日本神話でニニギと結婚した
日本国内1300社で祀られており、それぞれの神社で火、水、安産、子育て、酒造などを司る神として信仰されています。
超神会教主。
見た目通りの怪しい教主です。弱者救済を名目に色々と企んでいます。
教主だけあって人が集まれば演説したがるのですが、新規の相手には既存の演説内容を丸々使いまわしたりするあたり、アドリブに弱そうな気がします。
普通の人間の筈ですが、神器を持っているわけでもないのに神々に匹敵する力を持っています。
国津神の盟主、
いくつかのルートのラスボスですが、公式サイトの相関図に記載されていて、顔はマニュアルに出ています。
日本神話における
ゲームシステム
このゲーム、何とマニュアルにゲームシステムの説明が一切ありません。その代わりゲーム中のチュートリアルで操作を説明してくれるので、手間が省けてありがたいのですが、戦闘中の操作など、説明不足で若干分かりづらいところもあります。
序盤と終盤の自動進行イベントを除き、1日単位で朝~昼イベント、
育成は当初何も指針が無いので迷いますが、実は全員素早さ重視にしておくだけでそれぞれ必要な攻撃力も上がるので、一石二鳥です。1周目では連続剣・改を取得するためにタケミカヅチだけは攻撃力重視も何回かやっておいた方がいいです。しかし特定のパラメータが一定値を超えたときにスキルが解放されるという仕組み上、周回の最初から最後までひたすら守り重視を選んでおかないと取得できないスキルなどもあります。守り重視にすると戦闘力があまり伸びず、特にタケミナカタ撃破狙いは無謀なので要注意です。
戦闘のバランスはなかなか程よく、敵が強すぎず弱すぎずで、ボス戦ではタイトロープがちになるなど、適度に緊張感があります。
戦闘中にキャラの掛け合い演出があり、色々としゃべってくれます。これにはボス戦で発生するイベントの掛け合いと常に発生する汎用の掛け合いがあり、つまりシリアスな戦闘でも汎用の掛け合いで軽口をたたくので、そういう意味では緊張感台無しです。
例:最終決戦で3人倒れて主人公一人きり大ピンチ→稚彦「僕、ぼっちじゃねーか」
また、イベントの掛け合いはクリック連打かホイールスクロールでスキップしないと結構時間がかかるので、周回を重ねるとこれをスキップするのが面倒になります。
ただ、プリスターのシカヅキに続いて今回も鹿の神使や崇り神が博多弁っぽい発音で「しっかぁ! しかかーっ!」と鳴くのは大変馬鹿馬鹿しくて良かったです。
初回クリアした際、エスクードのゲームなのに周回引き継ぎが無くてびっくりしたんですが、最新パッチをあてることで引き継ぎ可能になります。クリア後にパッチを当てた場合、クリア直前のデータをロードしてもう一度ストーリーを終えると引き継ぎ用データを保存できるようになります。
引き継げるのはスキルポイントの一部と覚えたスキル全部です。装備しなおすのは少し面倒ですが、光玉や攻撃力強化の極を取得してスキルポイントが初期2000を超えると、まあ大体の相手は瞬殺できるようになります。ただしその頃には4周くらいしていると思うので、もうあんまり周回する必要がありません。
細かいところですが、画面全体に表示されるモノローグはメッセージログに記録されないので少し不便です。
不確定性物語
特徴
比較的楽しくテンポよく進みますが、全体を見渡してみると実は話の整合性が全くありません。
不確定性原理と怪異や神の観測を結びつけた発想は十分個性になっていますが、なまじ科学を持ち出しただけに展開の破綻ぶりがかえって気になります。
同様に、序盤でこれでもかと稚彦と久延ちゃんの教養トークを印象付けているだけに、その後の稚彦の軸のぶれ方が残念極まりないです。
また、作中に性の権化のようなキャラはおらず、恋愛ゲームのように特定のヒロインの好感度を上げて終盤やっとヒロイン専用ルートに入って想いを遂げるという仕様ですので、前半にはHシーンがほとんどなく、あったとして前戯止まりです。幸いゲーム難易度が適度なため普通にやっていればイライラしませんが、序盤から性的要素に期待していると痛い目を見ます。
不確定性過去
本作では過去の事実に関する伏線がいくつか張られており、そのうちの一部がヒロイン専用ルートで回収されるという形をとっています。列挙すると以下のようになります。
- アマテラスが稚彦と初対面の時に「会いたかった」と言った(共通伏線)→アマテラスルートで回収
- 10年前に崇り神が大量発生して高姫神社を焼き討ちした(共通伏線)→タケミカヅチルート及び美琴ルートで回収、アマテラスルートでは無視
- 10年前の伏見稲荷神社で目撃者多数の神隠しがあった(共通伏線)→タケミカヅチルートで回収
- 幼少の美琴が迷子になった際に知らない誰かが家まで連れ帰ってくれた(美琴ルート突入後の伏線)→美琴ルートで回収
- 幼少の稚彦に対して「美琴の傍にいてやってくれ」と誰かが言った(共通伏線)→美琴ルートで回収
まあ共通部分で伏線を張っておいてそれぞれのヒロインルートで回収するという手法自体は何ら珍しくはないのですが、問題は特定のヒロインルートの展開確定により他のヒロインルートの伏線が全部なかったことになるということです。例えばアマテラスルートに入るとアマテラスとの本当の初対面エピソードが描かれますが、それによりタケミカヅチ、美琴の伏線に該当する事実は発生しなかったということになります。
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どういうことかといえば要するに終盤で10年前への時間移動が発生するので、10年前に移動した稚彦がそれぞれの伏線に応じた行動をとることでその事象を発生させた、ということになるわけです。
まず前提となる時間移動解釈ですが、移動する前からその過去の行動結果を知っているので、パラレル型ではありません。パラドックス型の中でも「時間移動の結果が既に現在に織り込まれているためにパラドックスは発生しない」という確定事象不変型の時間移動解釈であると推測されます。
ところが、アマテラスルートでは喜多野神社でのダイダラボッチ発生や大観衆の中での神隠しなど、過去に観測されていないはずの事象が発生している一方で、稚彦がそのルート特有の行動をしただけで現代に帰還してしまうため、タケミカヅチ、美琴ルートに関する事象が全く発生しません。なので確定事象不変の法則が揺らいでいます。最大限好意的に解釈して、今回のエピソード終了後にまた10年前へ移動してわざわざ残りの伏線を消化したとしても、同時に消化できない伏線があります。また、そもそも10年前に何度もピンポイントで移動する手段がありません。
他にも、タケミカヅチルートにおいて「別の時間軸ならともかく、ここでは未来へ移動させる手段はない」(=美琴ルートでは手段が存在する)とウカノミタマが述べてますが、物語開始以前の同一の過去に移動したはずなのに時間軸が違うと言われてもちょっと意味不明です。更に、どのヒロインルートを通ったかによって教主や美琴の行動目的が全く違ったものになります。これは過去の行動によって現在に影響を及ぼしているようで、Back To The Future方式の投げやりパラドックス原理が働いているように見えます。
ただしこれら2つに限っては特に伏線が無かったため、最大限好意的に考えると「本編開始時点でルートごとに違った過去を持った現在だった」という解釈も一応できます。
まとめると、第一章「量子論的信仰解釈」において、「観測するまで事象は確定しない」と繰り返しているので、「過去だろうがなんだろうが観測するまで不確定なので事実とは認められない」というスタンスなのかもしれませんが、打ち捨てられた伏線の中には他ならぬ稚彦自身による観測結果もあり、この矛盾を解消する手段は恐らくありません。
不確定性主人公
序盤にその優柔不断ぶりを「不確定性男子」と形容された主人公、雨乃稚彦ですが、教養があるキャラとして定義されているはずなのに、優柔不断というか設定の軸足が全く定まっていません。
まずその体型・体力ですが、序盤に走って息を切らして「運動部に入るかどうかはともかく、もうちょっと運動した方がいいな」と述べているのに、その翌日にウズメの調査でスリムマッチョ体型であることが判明します。運動不足のスリムマッチョというのが全く意味がわかりません。
喋り方については、一人称が「僕」である割に口調が荒く、「あとは僕に任せな!」「僕、ぼっちじゃねーか」などの妙に違和感のある台詞を多数残しています。戦闘中に聞くとイラッとします。更に、命の恩神であり高天原の女王でもあるアマテラスに対していきなりタメ口をきく神経が不可解です。美琴ルートの10年前の自分に対して、こんな生意気なガキだったろうかと思いを巡らせていますが、むしろ現在の方が一層こじらせているような気がします。
アマテラスに命を救ってもらった後、稚彦は目の前で襲われている人を助けるために再度崇り神と戦い、「命を救ってもらって仇で返すほどの恩知らずじゃない」と言って崇り神大量発生事件の解決に協力するようになりますが、稚彦が本当に恩知らずじゃないかと言えば、甚だ疑問に思わざるを得ません。何しろ稚彦はその台詞の数時間前にアマテラスに協力を要請された際、詳細も聞かずに断っています。アマテラスは稚彦の命を救うために草薙の剣という貴重な戦力を失っていて、しかも稚彦自身が命を張って助けた久延ちゃんや道真が既にアマテラスに協力しているという状況下で、二人と違って自分は草薙の剣という戦える力を持っているのに、考える時間をくれというわけでもなく、即答で断ってます。タケミカヅチがマジギレするのも当然です。シナリオ的には一度断ってその後決意を見せるという展開を作りたかったのかもしれませんが、アマテラス遭遇前に無力でも戦った勇気ある稚彦と比べるとキャラがぶれすぎて意味不明です。
稚彦は活躍する時にはタケミカヅチとアマテラスの尊厳を守りながら舌先三寸でタケミナカタに刃をひかせるなどという難業をやってみせるものの、そうでない場合は意味不明な同情で時に大きく味方の足を引っ張ります。
序盤から何一ついい人としての描写が無かった行方不明の校長に対して、級友がその身を案じていることから「案外悪い人じゃない気がする」というのは論理が随分飛躍しています。尋問して情報を聞き出すはずだった校長をアマテラスが無条件開放してしまったのも、稚彦がそれを嫌がったせいです。
稚彦が戦う意思をなくすくだりですが、最序盤に
稚彦は生来の殺戮衝動が抑えられないというゴローちゃんに対してその命を絶つという選択をせず、二日悩んだ末に「僕の生涯をかけて何度でも止めてやる」と言い放ちます。吃驚するほど主人公的な台詞ですが、現実的には的外れです。何しろゴローちゃんが殺そうとするのは稚彦に限りません。つまりゴローちゃんが他の誰かを殺さないようにするには稚彦が24時間365日張り付いていないといけないのでどう考えても無理で、睡眠時など目を離した隙に犠牲者が出るのは目に見えています。しかも稚彦は1箇月~2箇月後には草薙の剣をアマテラスに返してしまうので、その後は止めようとしても返り討ちにされるのがオチです。これに関してはウズメの「呪いで殺意に対して耐え難い激痛が発生するようにする」という方法でもまだ半端で、そのうち痛みに慣れて耐え難きを耐えられるようになってしまったら、むしろ殺神鬼としてパワーアップするような気がしてなりません。…というかウズメルートでは本当にパワーアップしてしまって吃驚しました。どうせ呪いをかけるなら殺し自体を論理的にできないようにすればよかったのになあと思います。呪いなしで人として真っ当な手段で解決するなら、証拠を探して殺人罪で服役させるのが妥当ではなかったかと思います。人として生かしたいのなら、人として然るべき処罰を受けさせるのは当然です。
なお、ゴローちゃんの殺戮衝動については、教主を殺すのを堪えたり、
稚彦は下ネタ話やエロトークも好きだと本人が言ってますが、どういうわけかアナルセックスの話題だけは「限度がある」として断固としてしたがらないという妙な判断基準があります。男色の話題であったらそれもわからんでもないですが、女の尻穴の話も断固としてしたがらない稚彦の感性はよく分かりません。しかも稚彦はその行為自体にはむしろ興味があるようで、それも含めてますますよく分かりません。ちなみに稚彦に限らず、エスクード作品のキャラは妙に尻穴に対する貞操が固いという傾向がありますが、男の立場でこれを嫌がるというのは初めて見ました。
総じて、外見についてはモブ同然の「顔のない主人公」であるにもかかわらず上記のように妙に軸がぶれぶれで癖があるという、キャラを立てたいのかプレイヤーと同一視させたいのかよくわからないキャラになっています。
美琴の「分からない」について
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シナリオ終盤で、一見表情豊かな美琴には人としての感情が欠落していることが語られます。
しかしこれについても読み返してみると一体何が感じられて何が分からないのかというところに齟齬があるように感じられるので、以下にまとめてみます。
- 焦りが分からない(10年前)
- 心配が分からない(10年前)
- 寂しさが分からない(10年前)
- 心の痛みが分からない(10年前)
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罪悪感がない(現在)
- その割には教主に過去の行いを指摘された時の反応が著しい。また、それ以外に稚彦と敵対してまで教主に従った理由が見当たらない
-
悲しみが分からない(10年前)
- 母親が死んでも悲しくなかった(10年前)
- 稚彦が死ぬのは悲しい(現在、決戦後)
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人の心が分からない(10年前~現在)→人の心が分からないのは普通の人間でも同じ
- 共感・同情というものが分からない(現在)
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恐怖心が無い(現在)
- 人の心が分からないのが怖い(10年前)→恐怖心があるはず
- 他人の気持ちが分からないのが辛い(現在)
-
苦しさが分からない(10年前)
- 身体的な苦しみは理解できるが、感情的な苦しみについては理解できない(10年前)
- 感情が分からないことが苦しい、他人の気持ちがわからないのが苦しい(現在)→つまり感情的苦しみは理解できているはず
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人を大切に想えない(現在)
- 人を愛せる人間になろうと思っている(現在)
- 人の心を慮る稚彦にあこがれる(現在)
- 稚彦のことを好きになろうと思っている(現在)
- 稚彦に好きになってもらおうと思っている(現在)
- 人が安心するということは理解できる(10年前)
本当に何も分からないのならAIのような無機質な挙動になるはずですが、どうもところどころ理解していたりするようで、同じ方向の感情でも時により分かったり分からなかったりするようです。
あと、美琴ルートで稚彦が「僕は美琴が泣く所を見たことがない」と言いきってますが、その前の共通の話でパイタッチしてガン泣きさせてしまった(少なくとも稚彦には泣いたと認識された)というエピソードがあるので説得力がありません。
タケミカヅチルート終盤の辻褄合わせについて
タケミカヅチルートの終盤では他のルートと異なり吃驚するくらいあからさまな辻褄合わせが出てくるので、以下に整理します。
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- チェーンソーでばらばらになったコノハナサクヤヒメが平然と復活するのは流石に無理があると思います。
- 教主が教団を組織したのは大国主の野望を止めるためで、大国主をたばかるために表向き協力していたと理由がつけられていますが、そもそも教団が無ければ大国主が事を起こすことはなかったので本末転倒です。また、表向きの協力のために崇り神被害が多発していたのでむしろ迷惑です。
- アマテラスと大国主が地上で争うと周囲の被害が馬鹿にならないため決戦場としてアメノトリフネを召還させたと語られていますが、アメノトリフネが地上に墜落した場合の被害を考えると、普通にどこかの過疎地帯で戦ってもらった方がはるかに合理的だったと思います。
- 魂が10年前の過去と因果を持ったせいで過去に転生したというのは百歩譲って納得するとしても、転生後の姿が9~10歳じゃないのはどういう理屈でしょうか。
その他の不整合
- 不確定性原理と超自然現象を結びつける発想は良いと思うのですが、「菅原道真と日本神話の神は過去の資料で情報が残っているだけという意味で実在の信憑性は同じ」と断言されているように、その論述が詭弁です。この場合、資料自体の整合性のレベルを全く考慮していないので、資料があって所在が分かればいいというのであれば、自ら架空の存在であると認めているこの私ですら実在するということになってしまいます。
- 美琴ルートにおいてウカノミタマが神自身の記憶について「その事象を認識する人間が一人もいなければ記憶が保てない」と説明していますが、そうなると人の寿命が続かないほど過去の記憶は全然覚えてない、もしくは歴史書に書かれている通りに改竄されてしまうはずなので、「古事記や日本書紀は嘘っぱち」とするアマテラスの主張と齟齬が生じます。或いは人を介さず神同士でも認識があれば大丈夫ということなのか、よくわかりません。ちなみに本編中では例によって「量子的、不確定的」を免罪符にごまかされています。
大禍津神 を足止めした以津真天 さんは威厳をもった口調で喋っていたのに対し、伏見稲荷神社在住の以津真天 さんはカラス同然で言葉を発しないということがあり、描写の統一性がありません。- 演出上の都合ですが、シーンによって台詞が漢字込みで伝わる場合とそうでない場合があります。
不自然な点
- 稚彦は古事記を読んで国譲りのエピソードを知っているのに、そこに登場する
天稚彦 や高比売命 に何ら言及しないのが不自然です。この名前の一致について言及したのはゴローちゃんただ一人で、しかもその後何の展開も見せません。 - 稚彦は久延ちゃんが伊達眼鏡と知っているのに「度があってないんじゃねーか」という突っ込みは不自然に感じました。
- 久延ちゃんの「コミュニケーション能力や情報収集能力がずば抜けて高いのに友達が一人もいない」という設定は少々無理があると思います。
大禍津神 にタケミナカタが捕まった際、これを奇襲で解決する機会が二度もあったのに、奇襲する前に話しかけて台無しにし、ツッコミもないのはどうかと思いました。- コノハナサクヤヒメがアマテラスに対して反旗を翻す理由に無理があります。人に仇なす存在は消されるのを待つばかりで救われないのが我慢できない、というのはまあ分からなくもないのですが、それを解決するプランとして「じゃあ私は崇り神側の味方するから、ばんばん人殺すね」っていうのはどうかと思いました。それも或いは心優しさの表れなのかもしれませんが、「行き過ぎた平等は全員を平等に不幸にする」という典型的な悪い例ですね。
- 一度敵に回ったとはいえ、アマテラスの親友のコノハナサクヤヒメが目の前で殺されようとしてるのに3柱と1人が雁首揃えてひたすら指をくわえて見てるのはどうかと思いました。
- 美琴ルートの高姫神社焼き討ち事件で親父さんが消防を呼ぶために決死の覚悟で半鐘を鳴らしに行ったわけですが、その前に神社から脱出できないという旨の描写が無く、当面の問題は火事ではなく大量の崇り神のはずなので、「美琴を助けるためにはこれしかない」というのが良く分かりません。
- アマテラスの回復待ちは、高天原に帰ってじわじわ回復を待つより、下界で御祓して回って回復すれば一石二鳥じゃないのかなあと思いました。
- 立ち絵のキャラが動きまわったりして結構表情豊かなのですが、シリアスシーンのゴローちゃんの怒り表現に青筋エフェクトが入ったのだけは要らないと思いました。
不明点
- 稚彦に信仰心がある理由が結局不明なままです。久延ちゃんの神の実在についての論述(詭弁)に丸めこまれて多少は信じたということでしょうか。
- ゴローちゃんと二度目の接触で、彼が電話回線に干渉できた理由が不明です。抑えきれない殺戮衝動の代わりに神をも殺す力を得たとは言われていますが、ゴローちゃんは戦闘中は刀を振るう以外の攻撃は一切せず、他に何か特殊な能力があるという説明もありません。
- 殺されたはずの校長が生きてることについての説明がありません。殺されそうになっていた現場に
大禍津神 が駆け付けたわけでもなさそうです。 - アマテラスたちが稚彦に免じて校長を見逃した際、穢れを祓わずにそのまんまリリースした理由が結局よくわかりません。
- 美琴の肌色が変わる原理についての説明が全くありません。
- 国譲りの事実関係が結局不明なままです。これについては「語られることはおそらく、ない」と公式ページに書かれていますが、物語の核心が最後まで明かされないのですっきりしません。
- 道真が普通の人間に見えないのに対し、アマテラスたちが万人に見えていることについての説明がありません。もし任意にON/OFFできるのなら、道真が誰にも気づいてもらえないと寂しがった理由が消滅します。
- エンディングでは女神たちが当然のように高天原に帰ることになっていますが、一度現世に来て1カ月以上普通に滞在しているのに、事件解決後どうしても帰らなくてはならない理由が何ら説明されていません。帰る理由が無いならいっそ稚彦が死ぬまで地上で仕事してればいいんじゃないのかと思うわけですが、重大な問題なのに説明もなしで帰ろうとするので釈然としません。どうしても帰らなくちゃいけないのなら、また来ればいいじゃないかとも思うわけですが、それについてもできないらしく、理由についてはきちんとした説明がありません。
誤字・誤表記
誤字・誤表記は少々多めです。量自体はくるくるくーるあたりに比べれば多くはないのですが、本作の場合間違った文面がそのまま音声として収録されてしまっているものが多く、やっちまった感があります。音声収録後に間違いが発覚して再収録となると無駄なコスト増になるため、普通は収録前に入念に校正を行うはずなのですが、本作は文面校正プロセスに大きな問題があったように思えます。そういえば今回、デバッグスタッフに名前が一人しか記載されていないのでまさか、と思いましたが、スタッフコメントによると、他のスタッフの人も兼任でデバッグを担当されていたようですね。
- 「一枚岩」の意味で「一筋縄」という言葉が繰り返し誤用されるのがものすごく気になります。
- 「だけど、いくら人間が人間から穢れを生みださせる理由は何なのかな? 人間には穢れを集めることなんてできないはずなんだよ」:いくら、という語句の削除ミスによりどう見ても意味不明になっている文面ですが、このまま音声が収録されています。「いくら人間」という専門用語があるわけではありません。
- 10月5日に起きる固定イベントで「長月のうちに解決できるやもしれぬ」と言われます。長月が終わって5日も経過してます。
- 「今度は私が稚彦さんに思い出を作ってもらう番です」:思い出を作ってもらった後の台詞なので、作ってあげる番のはずです。
良かったと思うポイント
- 細かい不備を大量に指摘しましたが、それでもシナリオのテンポが良いというのはないがしろにできない長所です。パロディネタの頻度が人によっては目に余るかもしれませんが、ほぼ乙女恋心プリスターのモンローハート編(=水鼠さん編)と同じノリで楽しめます。というかそのモンローハート編を担当した
村田 咲人 さんが今回のシナリオライターです。フラストレーションとエンターテインメントのバランスはむしろ良好な部類です。つまり、細かい雑多なことを一切気にしなければ概ね楽しめる内容となっています。 - 終盤に神が人間にばんばん殺されていく展開になって唖然としましたが、よくよく考えてみたら武器がチェーンソーでした。なるほど、これでは神もたまったものではないですね。
- 4つのヒロインルートのうち3つは
大禍津神 とゴローちゃんのその後が投げっぱなしなんですが、ウズメルートだけはその後が丁寧に描かれていて良かったです。私が今回一番満足感を得られたのは、どのヒロイン関連でもなくこの一人と一柱の悲恋エピソードでした。 - タケミカヅチルートの終盤は無理矢理な予定調和が鼻についたものの、それでも崇り神が道をあけるくだりやスーパータケミカヅチ(自称)登場のくだりが少年漫画的に熱かったです。特に登場時のイベントCGにはしびれました。いや、雷光エフェクト的な意味ではなく。
グラフィック
本作の原画は
一方で水鼠さんの絵柄は乙女恋心プリスター以降の「新・水鼠さん」ともいうべき現代的ですっきりした絵柄になっています。絵自体は以前より更に上手くなっていて、今風の絵柄になったことで一般受けもより良くなったかもしれませんが、昔からのファンとしては以前の絵柄も好きなので、ちょっと寂しいところがあります。
Hシーンはアマテラス4つ(1つは裸のみ)、タケミカヅチ5つ(2つは前戯)、アメノウズメ4つ(1つは前戯)、高姫美琴2つ、加えて久延ちゃんが1つだけあります。また、Hシーンと言えるか微妙ですが、タケミナカタの着替えシーンがあります。ヒロインルート持ってない久延ちゃんにH原画2枚が割り当てられているのは私としてはブラブラブラボーしたいところなのですが、その一度きりのHシーンでなぜか普段と髪型が違うのが惜しいと言わざるを得ません。また、シナリオのところで述べた通り、前半にはHシーンが殆どありませんので、それだけは覚悟しておく必要があります。
ところで今回の最優秀性交賞ですが、高姫美琴さんに差し上げたいと思います。美琴は適度なサイズ、良好な形状に加えてしっかり乳房を握られる描写があり、なおかつ「握りながら挿入」があったのが大きなポイントです。爆乳担当のウズメさんにも握り挿入がありましたが、ややサイズが大きすぎるためか、握るというより撫でる、つまむ感じなので惜しくも受賞とはなりませんでした。
さりげなく「今回の」とか言いましたが、最優秀性交賞というのを今適当にでっち上げたことを正直に白状いたします。
インターフェイスデザインは全体的にソリッドな感じですね。BGMとも良く合っています。
音楽
音楽は乙女恋心プリスターの時にその仕事量と質の高さに吃驚させてもらったStudio PrimitiveのTOYさんの作曲です。やはり今回も抜かりない出来で、全41曲を収録。シーンに合った曲が揃っているほか、主題歌以外のBGMの幾つかにもボーカルを入れるという試みがなされています。ボーカル入りのBGMは大体現代的な曲でかなりのオシャレっぷりを醸し出していますが、作品舞台が京都と日本神話ということで、全体的な作曲傾向としては雰囲気重視の曲が多いです。テンポの良い曲の中では特に反撃の狼煙を上げるシーンで使用される「Save The Goddess」が耳に残ります。
BGMの他にRitaさんが歌う主題歌1曲、エンディングテーマ2曲が収録されており、私はハッピー傾向のエンディングで流れる「World’s happy end」が好きです。ちなみにこちらも作曲はTOYさんです。
ゲーム本編と同時にサウンドトラックとボーカルコレクションが発売されていて、これを両方購入すると作中の全曲が揃います。
演技
全体的には水準以上のレベルなのですが、大国主(甘美さん)の声の音量が妙に小さいことと、戦闘中の稚彦の台詞にいちいちイラッとくることが気になりました。声の出演一覧を見てみれば分かりますが、稚彦の声はゴローちゃん役の佐藤美一さんが一人二役でこなしていて、ゴローちゃんの演技は大丈夫なので佐藤美一さん自身の力量には問題はないはずです。ということは、稚彦に限って配役が致命的に間違っているか、或いはそもそも稚彦に設定されている台詞自体が気持ち悪いという結論に至ります。私は恐らく前者と後者で3:7くらいではないかと思います。
総評
ゲームシステムは悪くなく、難易度調整は良好、グラフィックも音楽も水準以上なのですが、何しろシナリオがまるで週刊漫画のようなその場の勢い最優先のつくりであるために整合性が無く、その影響で主人公の軸がぶれまくるという始末なので、不満の大半がここに集中します。それでも魁!男塾くらいの勢いがあれば死人が生き返っても笑って許すのですが、さすがにそこまで突き抜けたものとは感じられませんでした。タケミカヅチルートはそれに近いものがありましたが、その分無理な辻褄合わせも多く、惜しい出来でした。更に購入を検討する上で価格が結構高いというのがネックになります。
以上、大分長くなってしまいましたが以下の評点を奉納いたします。
他の水鼠さんゲームと比べて低い評点となってしまいましたが、絵が好みで、シナリオは整合性より勢いだ、という傾向の人には十分楽しめる作品だと思います。
というわけで今回も応援バナーを貼っておきます。
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