徹夜でしょうか早起きでしょうか、兎に角おはようございます、松下です。
一昨日ボーダーブレイクPS4のフレームロットの<リーズナブル>さについての検証記事を投稿したばかりですが、本日のアップデートでついにというかやっとというか、待望のピックアップガチャが実装されました。
そこで今回はこのピックアップガチャによってガチャ環境がどう変化したかについて検証していきたいと思います。
まず武器追加による既存のフレームロットの排出率変化について
ピックアップガチャの排出率に触れる前に、まずは同アップデートで追加された武器4系統による既存のフレームロットの排出率変化について述べます。
4系統追加によりその最上位である強化型Gランチャー、3SCB-ヘルファイア、セントリーガンLZ、MK19指向性地雷の4つが★3武器ラインナップに加わりました。つまり28種類から32種類に増えました。
★3排出率10連平均(7%*9回+10%*1回)/10回=7.3%は変わらずなので、特定の★3装備の当選率は
アップデート前7.3%/28種=0.261%
↓
アップデート後7.3%/32種=0.228%
となります。
特定の★3装備を引き当てるのに必要な平均要求金額は
アップデート前200コアシード*(10,000円/10,500コアシード)*(100%/0.261%)=73,059円
↓
アップデート後200コアシード*(10,000円/10,500コアシード)*(100%/0.228%)=83,496円
となりました。驚きの1万円アップです。<リーズナボゥ>!
武器と機体パーツのたった2枠に全部ぶち込んだガチャではこのように新装備が実装されるたびに特定装備を引き当てられる率がどんどん下がって状況は悪くなる一方だったわけで、新実装のピックアップガチャは果たしてこの状況を改善する一手となったのか、というのが今回の主題です。
ピックアップと銘打っていながら相変わらず全種類ぶち込まれている
満を持してのピックアップガチャの公式発表ツイートがこちら。
兵装別ピックアップロット開催!
開催期間中は各兵装武器の出現率がUPします※兵装によって開催期間が異なりますのでご注意ください
……ええはい、普通は新装備を実装直後にその装備を対象としたピックアップを期間限定で開催するものだと思いますが、兵装別でもそれはそれで需要があるので良いとしましょう。週替わりなのもややもったいぶった感じがしますが、繰り返し開催されるなら致命的問題ではありません。ただこの50%というのがですね。はい、実際の排出率表記をご覧戴きましょう。
強襲ピックアップであれば強襲装備の排出率だけ他の3倍になっているのがお分かりいただけるかと思います。つまり強襲50%、他3兵装は残り50%を3等分して16.7%排出という形式になっているわけです。
既存のフレームロットと比較するとピックアップ対象兵装装備の排出率が25%→50%で単純に倍になっているので、強襲または遊撃の★3特定装備排出率は0.228%*2=0.456%。
強襲または遊撃の★3特定装備を引き当てるのに必要な平均要求金額は83,496円/2=41,748円となります。
まあ確かに今までよりは大分ましになっているのですが、100%ピックアップ(普通のピックアップは出る種類自体を限定しているので50%ピックアップとか100%ピックアップとかいう呼び方もなかなかしないのですが)であれば狙った装備の排出率4倍、必要経費1/4になったので、それと比べれば効果半減と言えます。
何でしょうねこの、どうにかしてユーザー離れを防ぎたい人と意地でも価格設定を甘くしたくない人が綱引きして渋々出した妥協点みたいな半端なピックアップは……。
なおこの期間限定ピックアップ、地味にコアシード専用で、ロットチケットは使用不能です。
もう一つの注意点として、結局全種類ぶち込まれているためにアイテムの種類が増えるほどに特定装備の引当率が下がって平均要求金額が上がるという根源的問題が解決しておりません。
これを回避するにはやはり新装備ピックアップや実装時期別のカテゴリ分けが必要になります。
確率の落とし穴
ボーダーブレイクPS4だけに限った話では無いのですが、折角ですので確率の話をしておきます。
普通に確率計算できる人やこれまで散々低確率当選くじに煮え湯を飲まされてきた人に対しては釈迦に説法なのですが、青天井の低確率当選くじというのは、それはもう恐ろしいものです。
まず強襲ピックアップロットで★3特定装備を引き当てるのに必要な平均要求金額は41,748円ですが、これはあくまで平均であって、41,748円支払っても目的の物が出ない可能性が当然あります。
例えば4万円の定価がついた商品を買ったら目的の物が確実に入手できます。これは当たり前です。
次に目的の物が50%で当たる2万円のくじを買うなら4万円出して2回で累計引当率100%になりますが、実際に一つ以上手に入る確率は75%です。
アタリを○、ハズレを×として引いた順に表記すると
A:○50%*○50%=確率25%、2つ獲得
B:○50%*×50%=確率25%、1つ獲得
C:×50%*○50%=確率25%、1つ獲得
D:×50%*×50%=確率25%、獲得無し
の4パターンとなります。2つ獲得する可能性が25%、1つ獲得する可能性が50%、獲得無しが25%。
平均すると獲得数は1となりますが、2つ獲得の可能性が25%、1回目で引いて終わってコスト半分で済む可能性が50%など有利な点があるものの、全く当たりを引けないリスクというのが出てくるわけです。
同様に計算すると、兵装ピックアップロットの41,748円で引けるフレームロットの回数は219.2回ですので、220回として、★3が10%のくじが22回と★3が7%のくじが198回となります。
10%くじのピックアップ兵装特定★3装備当選率は10%*50%/8種類=0.625%、ハズレ率は99.375%。
7%くじのピックアップ兵装特定★3装備当選率は7%*50%/8種類=0.4375%、ハズレ率は99.5625%。
220回くじを引いて1回も当たりが出ない確率は0.99375^22*0.995625^198=0.3656=36.56%。
途中で引いて一抜けたになる可能性がある一方で、平均金額である41,748円を支払っても三分の一以上の確率で当たりを引けないという現実が待っているわけです。
まだあります。220回引いて当たりを引けなかったとき、半笑いになりながらもそろそろ引けるだろうと思っていても、現実としては目の前に立ちはだかるハズレ率99%超は一切変わっておらず、相変わらず1/220の確率でしか当たりが引けません。ハズレは何の蓄積にもなっておらず、減ったのはお金だけという状況になっているわけです。まあ実際には絶対に欲しい装備以外に多少は欲しかったレア装備がドカドカと積み上げられていくのでそういう意味ではゲーム的に全くの無駄ではないのですが、目当ての装備を引き当てるという目的においてはハズレに費やした金額は何の蓄積にもなりませんし、概ね装備が揃った後に追加実装装備だけを目的としてフレームロットを引く場合、ほぼ無駄金を使わされる羽目になります。
これが青天井の怖さです。
私は適正な対価を支払ってボーダーブレイクを楽しみたいのであって、悪趣味なギャンブルに振り回されたいわけではないのですが、一体どうしてこんなことになっているのでしょうか。
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